TAZN(たつん)と申します。
タロット占い師をしています。正式な屋号は「ゾンビタロット占い師 TAZN」、主にゾンビタロットというタロットデッキを使って占っています。
ゾンビタロット
ゾンビタロットとはゾンビの絵が描かれたタロットです。あるとき、誕生日に友達からプレゼントされました。当時はまだ占い師ではなかったけど、占いは好きだったのと、ゾンビ映画も好きだったので、これをくれたのだと思います。
それからタロットをきちんと勉強していくうちに、ゾンビタロットと自分の相性がとても良いことがわかってきて、プロを目指すことにしました。ゾンビタロットは色物のデッキに見えますが、伝統的なタロットをよく学んだ人が作ったものだともわかってきました。
今でこそ他のタロットデッキもいくつか持っていますが、最初の10年はゾンビタロットだけを使っていました。ボロボロになるので今は3代目のゾンビタロットです。万が一、絶版になったときのために5代目までキープしています。最初にもらった1代目も、まだプライベートを占うのに使っています(ゾンビタロットはボロボロの方がかっこいい)。
タロット占い師になるまで
自分は主にインターネットで活動していて、占いの館などに所属したことはありません。最初はask.fmという、今でいうマシュマロみたいな匿名質問できるサービスで無料相談を募り、占い結果をブログにまとめていました。
また、当時はシェアハウスに住んでいて人の出入りも多く、そこに来る人たちを占って練習しました。
やがて無料で募集しても相談が来なくなりました。これは有料にするタイミングなのかも…と思い、そのときできたばかりのココナラを始めました。あなたのスキルを販売しよう、というwebサービスです。これを数年やっているうちに当時の本職と収入が逆転したので、退職してタロット一本で行くことにしました(今はココナラやっていません)。
タロットリーディングは小さく立ち上がる演劇
占い師の前は、劇場に所属するテクニカルスタッフの仕事をしていました。ダンスや演劇、オペラなどの公演をする劇場で、照明や音響の機材を管理したり、いろんなカンパニーのスタッフさんに対応したり、自分でも舞台スタッフをやったりという仕事です。海外のアーティストもたくさん来ました。
自分はタロットリーディングを、小さく立ち上がる演劇だと思っています。カードは引かれるたびにそのときだけ、その人だけの物語を上演します。
舞台公演は終わったら舞台装置をバラしてまっさらな舞台にもどしますが、タロットも終わったらまとめられて何もなくなります。
T.A.Z. 一時的自律ゾーン
自分の名前、TAZNの由来はいろいろあるのですが、その中の一つに「T.A.Z.(The Temporary Autonomous Zone 一時的自律ゾーン)」があります。
ハキム・ベイが1980年代に書いた、資本主義の支配に対抗する一時的なゾーン、自治特区についてのサイバーで魔術的なアナーキズムのテキストです。ゾーンは一時的(テンポラリー)だから集まっては解体されます。タロットカードの展開は(そして舞台公演も)この一時的自律ゾーンに似ています。
(T.A.Z.は本もありますが、著作権フリーのテキストなのでネットで探すと出てきます。松岡正剛さんの解説もわかりやすいです)
スプレッドを作る
自分は占いの相談を受ける一方、スプレッドを作るようになりました。スプレッドとは、ある目的のためにカードを並べる配置図、レイアウトのことです。
例えば横一列に3枚のカードを並べ、左から「過去」「現在」「未来」として読む、などです。スプレッドを使うと、より複雑なメッセージを読み取ることができます。
スプレッドはカードを並べて立ち上がる物語の骨格、設計図と言えます。実際の物語はカードを引くたび、引く人ごとに変わります。しかしそのテーマはスプレッドで設定できます。カードの順序に意味を持たせ、ストーリーラインの流れを設計もできます。
いろいろ引っくるめると600個以上のスプレッドを作りました。人生のそのときどきで感じた不安や疑念を解き明かすためのもの、自分自身や世の中を理解するためのもの。なにかのシンボルやオカルト概念を元にしたもの。タロットカードそのものから作ったもの。季節や暦のイベントからできたもの。その時だけの使い捨てのもの。古事記などの物語から作ったもの、などなど…。
twitterやnote、ニュースレターで発表したり、あるいは雑誌の紙面で作らせていただいたり。その一部はこのハイライトページにまとめられています。
https://twitter.com/tazn246/highlights
オンラインサークルを作る
こうしたスプレッドをやってくださる方々が参加できるよう、オンラインのタロットコミュニティを立ち上げました。
最初はnoteのサークル機能(今は違う名前になったんだったか)を使っていましたが、後にdiscordとzoomへ移行。タロットの練習会やいろいろな話し合いを行なっています。
タロットを作る
去年、twitterの様子がおかしくなってきて、SNSどうしよう…となっていたときタイッツーが救世主として現れました。
タイッツーでは「タイツタロット」の絵を一日一枚描きました。タイッツーはその名前からタイツがモチーフとして使われ、ユーザーの間で「タイツを振り回す」「タイツをはく」などの用語が生まれていました。そういうノリの一環ではじめたものです。
最初はどれくらい続けるかどうかも考えていなかったのですが、ありがたいことに好評をいただき全78枚(+シークレットカード1枚)を描き終え、印刷、販売までできました。
(タイツタロットはここからオンラインで引くこともできます)
そんな感じです
今は主にネットで占いのご依頼を受けつつ、タロットを勉強したり実験をしたりの日々。ニュースレターやnoteなどでタロットについて考えたことを発信しています。