オッペンハイマーを見てきた。
おもしろかった、普通によくできたエンタメ作品として見られた。でも原爆開発者の伝記というモチーフなので、重々しく語らねばならない気になり、普通に「おもしろかったね〜」と言いにくい。全部フィクションだったらよかったのに、と言いたい。
見にいく前に3枚タロットカードを引いていた。ウェイト=スミス版で。これらをこの映画のなにかを表すもの、として考えてみる。以下ネタバレあり。
ペンタクルの10逆。「世界を壊した」というセリフ。原爆で破壊された都市。ロスアラモスに急拵えで作られた人工的な村。アカ狩り。特権の剥奪、追放。
女帝逆。爆発や原子を表現する美しいパーティクル(きれいなのに恐ろしいもの。美しい悪夢)。自殺する愛人。アルコール依存症で育児放棄する妻、そして彼女が絶対忘れない恨み。
戦車。オッペンハイマーの押しの強さ。登場人物たちの出世欲。軍事利用。(このカードの天蓋から)ノーラン監督が強く推奨する視聴環境、映画館という箱。