すりごまの袋を手にとって、その開け口がきれいにハサミで切られていることに気がつく。そういうやつだった。几帳面というか、まめな男だった。ハサミでお切りくださいと書いてあれば、きちんとハサミで切りとるような。大さじ一杯にも見たないすりごまを使い切って、新しい袋を開ける。ハサミでお切りくださいという言葉を無視して、乱暴に指で引き裂いていく。ずたずたの切り口を見ているとひどく惨めな気持ちになって、冷えた台所にひとりで立ち尽くしている。創作BL手羽先700文章を書きます。