少し硬い髪が陽を浴びて赫く輝いている。「お弁当と麦酒を買って傘の下で食べるなんて、最っ高の休日だ」と笑顔で言う彼女は、赫い髪を掻き上げて、缶麦酒に口をつけた。500円の鮭弁当をさかなに、私たちはパラソルの下で昼酒を楽しんでいる。
「なんか踊りたくなっちゃったな。踊ってもいい?」
「ここでは、だめ」
猩々はわかりきったことを訊ねては、私から否定の言葉を引き出す。その行為を楽しんでいる。
「帰ったら舞っちゃおう、それならいいでしょ?」
「いいよ」
彼女は五歳児みたいな顔で心底楽しそうに笑ってから、千年生きるものの顔をして麦酒をあおった。