均す

tokoi
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・火曜

晩ごはん、煮込みハンバーグを作るぞ、とスーパーに買い物へ。いつも行かない時間に出かけたら、野菜や果物の品揃えが充実していてうきうきしながらうろうろする。年末年始、あり得ない値段を叩き出していたいちごがやっと普通の値段にもどっている。うれしい。紅ほっぺととちおとめとどっちにするか悩んで、紅ほっぺにする。野菜コーナーにはもうフキノトウやらタラの芽などが並んでいて、ちょっとだけ春の予感。山菜はいつも、値段を見て、うわあ、岩手にいたとき、踏査しながら山でぽきぽき採ってきて、天ぷらにして食べていたのはとっても贅沢なことだったのだ、と思うまでがセット。芽キャベツも出ていたので付け合わせにしようとカゴに入れる。金柑もカゴに入れる。銀杏は、ちょっと迷って見送る。あとはいつもの納豆、厚揚げ、玉ねぎ、じゃがいも、などなど。なんだか久しぶりに買い出したのしかった、と思いながら帰る。途中で挽き肉を買い忘れたことに気がつく。道をもどる。

・水曜

キュビズム展を観に上野に行く。電車に乗って向かう途中、なんだかいつもと全然違う音楽聴きたい、という気持ちになって、Spotifyで各国のランキングが並ぶページに行き、ウクライナのトップ50にしてみたら途中でCreepy Nutsが流れてきてびっくりした。そのあと飽きてグアテマラのトップ50にしてみたら、reggaetonのビートに懐かしさがあふれてきた。ぎゅうぎゅう詰めのチキンバスに乗っているときの感じが脳内にぶわーっと蘇ってきて、日比谷線に乗っているのに、なんだか真っ黒な排気ガスの匂いまでしてきそうだった。カルメンとルスおばあちゃんは元気にしてるかな。ああ、フリホーレスとクレマをトルティーヤに巻いて食べたい。日本にはグアテマラ料理屋がほぼないのでかなしい。

展示は、平日だけどそれなりに混んでいた。学生の頃は美術館に行ってもこういう系統の絵に惹かれることってほぼなかった気がするが、今はなんだかわからないなりに観ていると何枚かぐっとくる絵があって、おお、と思う。今どきの美術展は写真可になっているものも多く、気に入ったものはなんだか手元に収めておきたいと思って写真を撮るが、家に帰って撮ったものを眺めてもやっぱりなんか違うというか、生で観ているときほどの感動はなく、べつに撮らなくてもよかったかもしれない。でもいつもなんか撮ってしまう。へんなの。

・金曜

店のことでずっと眠らせていたことを試してみた。かなり後ろ向きな予想を立てており、出す意味はないのではないか、と思ってずっと眠らせていた、が、こういうのが少しでも売れるようになっていかないと、この店に未来はない!という気もしている(これを書きながらクッキーに未来はない!という声が脳内で鳴り響いた)。でも、コース喫茶を始めるときも、こんなの企画しても来たい人なんて誰もいないんじゃないか、とうじうじしていたが、やってみればちゃんと来てくれる人はいた。そう、初めてのことはあまり深く考えすぎずに、とりあえず始めてみればいい。わかっちゃいるけど、それが難しい。

店を閉めた後、春のコースの試作用のあれこれを買い出しに。パイが膨らみすぎないようにするための重石を買ったのだが、かばんに重石を入れて運んでいるという状況がなんだか面白かった。

・日曜

休み明けからしばらく落ち着いていたが、やっとお客さんの流れがちょっと戻ってきた気がする。ありがたい。

@tecolote
気が向いたとき、日記を書いています。