中之島美術館へ、『モネ 連作の情景』展を見に行った。
「あなたはモネに包まれる」のキャッチフレーズのとおり、ずっとどこを見てもモネ。しかも風景画がかなりの割合をしめている。水面、草花、遠景に山……それなのに、飽きない。同じ風景を、季節を変えて、時間を変えて描き続けた、モネの挑戦の勝利だろう。会期のはじめごろに見たので、また見たくなっている。
だいたいにして日本人の大多数は、印象派が好きだと思う。開催してからわりとすぐに行ったというのに、ものすごい行列。ミュージアムショップにはいるのに、一時間は並んだと思う。私も例に漏れず好きなのだけれど、何となく美術館通いを趣味にしていると、印象派が好きで……と言いづらいような気がする。誰でも知ってる、好かれるからかもしれない。いちおう、むかし、文学研究をやっていたころに、研究テーマの一環として、それなりに調べていたという理由もあるけど。今回の展示を見て、やっぱり、私は印象派が好きだなと思った。あまり安易に、「きれいだな」って言わないようにしているのだけれど、気をぬくと「きれいだな」「好きだな」って口をついて出ていた。
今回も、写真を撮ってよい作品がいくつかあった。私がとりわけ好きだと思った作品は、撮影不可だったので残念だ。とくに、エトルタの連作は、「飾りたい!」という気持ちがムクムクと湧き上がってきた。水のある風景が大好きなのだ。
このシリーズ、かなり写真で撮るのが難しい。でも好きだ。
これは、筆の反対側で書いたみたいなサインが面白くて拡大して撮ったもの。
図録を買えばよかっただろうかと今でもちょっと思っている。図録はかさばるし、重いし、判型がばらばらだしで収納泣かせだから、最近はほとんど買っていない。電子化は難しいんだろうな。そのかわり、ポストカードをコレクションしている。でも、印刷物だと全然ひかりが違う。
それと、『睡蓮』などは、かなり撮影可のものが多かったと思う。
それにしても、作品名の表記が日本語と英語だったのはなぜだろう。個人的には、日本語と原語表記にしてほしかった。なぜなら、同じ『睡蓮』でも、"Water lilies"と"Nympheas"、ふたつの表記があったからだ。
これらの使い分けは、どういう意図でなされているのかが知りたかった。ああ、大学時代に、学芸員の資格を取っておけばよかったなあと、こういうときに思う。それでわかるのかどうかはわからないが……。