適度な流し観

てのべ
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何とかほぼ定時上がりを続けられていてハッピー。そんでもって一日4食もいい感じ!夜はみそ汁一杯で充分で驚き。夜って一番腹減るまであったからさ……。とりあえず明日からも続けていきましょう~。

今日は昼休憩時に散歩して午後に作業用BGMがてら映画を鑑賞。当たり前ではあるけど仕事しながらなので吹き替えで流し観しつつ。映画の感想もTwitterでぽろぽろ書いてはいたけど、ポイントでの書き残しは中々難しかったの今後はこっちに書いていこう~。

今日観たのは2本。

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【LAMB】_ずっと気になってたやつ!キーとなるキャラの造形やふわっとしたあらすじはTLにも流れてきていたので知っていた。でもまあそんなに気にならないタイプなので普通にそのまま視聴。

ストーリーはかなりシンプルで、本編時間も短い作品。観るところはかなりピント絞れるけど所謂解釈の仕方に幅がある系だった。

映像美と間、それらを構成するシーンごとの雰囲気は荘厳で静かなのに、だからこそどこか不穏さが続く。全編通して登場人物が少なく、時間経過の変化もかなり緩やか。終盤までそれが一定なので、正直えっ!?てなるまでこのへんで何か起きるか……?ここか……?と展開を構える適度な緊張感があった。

ラストは思ってたよりもさっくりしてて悲惨さや胸糞悪さみたいのはなかった。

色んな捉え方が出来るけれど、わたしは夫婦が異形から子供を奪ったのではなく、異形の成長に羊飼いの人間の存在が組み込まれてるのだと思った。荘厳で広く厳しい自然の中で羊飼いは羊を所有しているけど、そのすぐ隣を見れば羊の異形が羊飼いを飼っている。そんな感じ。

成体と思われる異形が難なく銃を使えたのは以前に人間に教えてもらったか、使ってるところを見てたからと思えば納得がいくし、そうならばアダの前で銃が度々出てきたのも分かる気がする。牝羊がただの羊だったとして、それに育てられても銃の扱いは覚えないだろうし。

だからきっとマリアが言っていた「贈り物」もあながち嘘じゃない。本当に贈り物ではあったけど、それは一時的なもので人間からしたらそう見える事実の一側面みたいに感じた。

マリアがアダの産みの親を殺して異形が父親を殺した図は綺麗に鏡映しみたいになってて良かったな~。そして一番最後のマリアの演技も。それまでの悲しさとかをフッと手放したようなあの表情と、ずっと下じゃなく最後上を見るあたりが安定して豊かな自然を映してただけあってそれを観てるみたいで好き。

アダは可愛かった!案の定喋らないけど、動きや愛される時の何気ない仕草とか。きっとこうやって可愛い存在として思わせることで幼少期を生き抜いてきたんだろうな……。

【グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち】_これはなんの予備知識無く観た。基本映画を流すときはネトフリを使うんだけど、ネトフリはサムネにカーソルを合わせるとざっくりとしたあらすじが表示される。そこでなんとなしにポチリ。

かなり前の作品で、LAMBとは違うタイプの美しい作品だった。

主人公のウィル・ハンティングは天才的な頭脳の持ち主だけど過去のトラウマから人に心を開かない。そして他人の感情や人生への向き方に理解が出来ず、少年院を出入りするようなヤンキー。そんな青年が恋愛や親友やカウンセラーや大学教授を通じて内面的に成長していくのが大まかのあらすじ。

とにかくウィルの天才性が際立って描かれるんだけど、それらが羨ましい~!とかすごい~!てなるものじゃなく、観てるこちらが苦しくなってくるほど彼の抱える孤独と繋がっていて、それがどんどん明確で鮮明なものになるほど、ウィルと接している人たちの優しさやウィルへの愛がじっくり伝わってきてずっと良かった。

一貫して存在するテーマは人や自分との向き合い方だったと思う。ウィルと恋人になるスカイラーやトラウマを克服させようとする心理学者のショーン、最初にウィルの天才性を見つけたランボーでさえ何かしらの葛藤や悩みを持っていて、不完全なウィルと接すると一見して大人な彼らが抱えているものも見えてくる図が綺麗で丁寧で自然だった。タイトル通り主人公はウィルで彼の旅立ちがゴールではあるんだけど、そのウィルを通して成長していくキャラが大人たちにも及ぶのがいい。

その中でも親友のチャッキーが滅茶苦茶いいやつで、近くで見てたからこそかウィルが腐っている姿に喝を入れたりするんだけど、その優しさが導く大人たちとうってかわって背中を押すようなポジションなのね。心配の仕方が等身大というか、イイ奴なんだなって分かる。ウィルの誕生日に中古車をプレゼントしたりする兄貴肌なんよ。

実はこの映画、ウィルとチャッキー役の俳優二人によって執筆されているんだけど、それがマット・デイモン(ウィル・ハンティング)とベン・アフレック(チャッキー・サリヴァン)。

大人たちに理解されないウィルとそんなウィルをずっとそばで見ていたチャッキーのやり取りや空気感がずっとずっと尊くて、最後まで眩しいのがこの俳優二人だからこそできたことなんだろうなと思わせられる。二人は実生活から似た生活を送ってきた親友同士なんだよね。

トラウマから抜け出せず天才的な頭脳を持て余して有名な言葉や偉人たちの感性が乗った作品からしかものを話せなかったウィル。幼少期に虐待され、人を信用できなくなって、常に人を見下して、警察のお世話になる荒れようでも、育った地で出会った友人たちを置いていくことに引け目を感じて動けずにいる。うまくいかないし理解されないことも理解ってるからそれらが全部自分のせいだと思っていたウィル。そんな彼が、同じく心に傷を持つショーンに心を開いたのと同時に、本当に子供みたいに泣きじゃくってごめんなさいって言うシーンが本当に好き。いっぱい好きなところあるんだけど、やっぱりこのシーンの胸に来る熱さはいっとうすごかった。

何が良いってこのシーン、徐々に引き画になっていって二人のいるショーンの部屋の全体像が見えてくるんだけど、それまで部屋の中が見通せるシーンがないんだよね。

キャラクターの心の状況と部屋がリンクしてて、誰よりも心を閉ざしてるウィルの部屋はずっと映らない。だけどコミュニケーションが上手くて、強かで、賢いスカイラーの部屋はウィルに心を開き始めたところから大体が見えてくる。チャッキーは面倒見がいいから部屋じゃなくて家に友人たちを招いているシーンが入るし、ウィルに愛想をつかされそうになって必死になったランボーのシーンではランボーの後ろに研究室の大部分が映る。ウィルと仲違いをしてしまった後半のスカイラーは別の土地へ行ってしまうから部屋がそもそも映らない……。それに気付くのが上記のシーンなの。

そしてウィルの住んでいる部屋が映るのは一番最後だった。いつものようにチャッキーと友人たちが車で迎えに来たが、中にはもうウィルはいない。

ウィルはチャッキーたちからプレゼントされた車に乗って、これまで分からなかった自分の気持ちに気付き、従い、遠い地へ行ってしまったスカイラーに会いに行く。これってつまりは留まり続けていた部屋(心)から飛び出した図だなって。どこまでも走っていける車は人の痛みや愛を知ったウィルの新しい心そのものなんだな。

生意気で青臭いけど、頭の良さから妙な扱いされがちなウィルがとにかく切なくて可愛く見えるからこそ、最後車に乗って一本道を走っていくシーンが泣ける。

他人の言葉を借りることでしか人と喋れずそれがコンプレックスと痛みになっていたウィルは、ショーンへの手紙に出会った中でショーンが言っていた言葉をそのまま書いているんだけど、そこには痛みはなくって二人にしか通じない情が存在してるんだよね。

すごいいい映画でした。観てよかった~。

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会社で作業しながら流し観するのかなりいい。熱中しだすと作業と視聴で頭痛がしてくるんだけど、いい刺激になる。

ただな~感動する系はなかなか観れない。というのも感化されてすぐ泣くタイプなので、それを会社だからと堪えるのが個人的になんだかもったいなく感じてしまい……。

なんにせよ、とりあえずはこうやって観たものがあればさら~と書いていこうかな!ここは本当にできればの範囲で。

明日も労働頑張るぞ~い。

@tenobeee
一日一ページ。無理せず更新。 特に何てことないものを書きます。