この記事は「ReDesigner for Student 後輩に贈るデザイナー就活応援 Advent Calendar 2023」16日目の記事です。
はじめまして。てのひらと申します(インターネット上でいろんなユーザー名を使っているのですが、しずみーではてのひらとして生息しています)。総合大学デザイン系学科の修士2年生で、ヒューマンコンピュータインタラクションの研究室に所属しているものです。
昨年就職活動をして、来春から通信の会社でUXデザイナーとして働く予定です。プログラムが少しだけ書けます。電子工作もなんとか少しだけできます。デザインはわからないです。デザインって広義すぎますね、例えば、発表スライドを作るのはめちゃめちゃ苦手です。絵を描くのも苦手です。文章を書くのも苦手です(読みにくかったらごめんなさい!)
アイドルを応援することと食べることが好きです。
就職活動どうですか?
楽しめている方、本当によかったです、その調子です、応援しています。
楽しくないけどそれなりに頑張れている方、偉い!偉すぎる!美味しいものいっぱい食べてその調子です。
最近就活始めて焦ってる方、はじめの一歩を踏み出せて偉すぎる!!!あなたも美味しいものをいっぱい食べて目の前のことを一歩ずつですね。
就活苦しくて苦しくて仕方がない方、いらっしゃいますか?苦しさの程度や種類を汲み取ることができないのが心苦しいのですが、応援しています。XでDMしてくだされば(同じ大学の子は研究室で話しかけてくれれば)愚痴を聞くくらいはできると思います。あと睡眠と食事しっかりとってね。
「どうにかなるよ!」って励ましてくれるけど、結局「どうにかなった人」だから言えるんですよね?
無責任な励まし方では?と思っています
就活中の私は「私でもできたから自信持って!」「まあどうにかなるよ!」みたいな諸先輩方の励ましを素直に受け取ることができませんでした。「どうにかなるよ」ってなんなの…って今も思います。根拠がなさすぎる。こちらはどうにかならなさそうだから苦しいのに。てかどうにかなるってなんなの…(2回目)
「どうにかなった」側になってしまった
就活を終えての感想は「確かにどうにかなったな…」です。いやお前もそっち側になったんかい!!!!と一年前の私が刺しに来ます。就活の時に感じた苦しさも気持ち悪さもちょっとずつ忘れてきています。今の私は気を抜くと後輩に無責任な励ましをしてしまいそうです。
だからこそ、その「どうにかなった」側の人間でも鬱屈とした気持ちになりながら就活してた人もいるよ〜ってことが伝わるといいな、と思ってこの記事を書いています。この記事のここから下の文章、ほぼ結論とかノウハウとかはありません。ただただ愚痴みたいなことが書いてあります。就活のアドベントカレンダーには似合わない記事かもしれないんですが、「みんなキラキラしているわけでもないんだな?」って誰かの心がちょっとでも軽くなるといいな、と思います。
そうそう、就活中の私は「就職活動はゴールじゃなくてスタートだから、自分に合った会社じゃないと意味ないよ」と言われるのも嫌いでした。そんなこと知った上で苦しんでるんだよ!って思っちゃうからね!
デザイナー就活ってなんなの?と思う
「いかに自分を印象づけるか」の勝負みたいに感じて嫌だった
ポートフォリオの最初に印象的なキャッチコピーを置いて、自分はこういう人間です!とパッケージングして、それが等身大の自分であるかのように振る舞って…って、それに最後まで馴染めなかった。全然自然体で就活なんてできなくて、割り切ってやっていました。できる方々は自然体の程度を調節するのが上手なんだと思います。
その反面フォーマット化されてるところもある
自己紹介ページのキャッチコピー、みんなおんなじようなこと言ってない…?本当に要ると思ってやってるんですか…?あと各作品の最初のページも割とみんな似てない?ページ構成も似てない?
いや、そういうものだと思います。キャッチコピーがあった方が自分って何者かを簡潔に伝えられるし、構成もある程度似るものだというのは弁えています。先輩方のPFも参考にするし。でも嫌だ!!!なんかみんな同じで嫌だ!
何より結局自分もそのフォーマットに則りそうになっているのも許せないポイントです。
ものづくり楽しい!! vs 笑顔, 価値提供, 価値創造, etc.
作るの楽しい!とかデザインツール触るの好き!とかそういうことだけでデザイナーになれなさそうな感じ、何か大きな希望を胸に抱いていないといけない感じ。
デザインで価値創造、デザインで価値提供、デザインで問題解決、ユーザーに寄り添ったデザイン、デザインで笑顔を…それってなんかあまりに漠然としていて、でもデザイナーさんみんな思っていることで、それをあたかも自分個人の希望やアイデンティティのように語るのは私はあんまり好きじゃなくてできなかった
デザインこそが大好きだ!とも言い切れなかった
…言い切れなかった自分が「デザイナー就活」をしていることの気持ち悪さ。
デザインが好きというより、ものづくりが好き(コード書くとか電子工作するとかも好き)で、使った人が嬉しそうだったり楽しそうだったりするのが嬉しくて、それを仕事にしたいからデザイナーを選んだわけです。
「いやそれってデザインが好きってことじゃん!!」って思う方もいるかもしれないですが、私の中では確実に違うもので。別にデザインと呼ばれなくても何かを作って誰かが喜んでくれることが好きで。違うんです。
で、デザインが好きだとは言い切れないので、周りのいわゆるデザイン漬けの学生が眩しくて自分と比べてしまって、結局就活が嫌いになる、って悪いループが止まりませんね。
誰も苦しさを見せてなくて怖い
見せてなくて、というよりもオブラートに包んでいてすごい、ということ。
いや普通に就活ってちょっと気持ち悪くないですか?(それをわかった上でこなすのが大人なんだと思うのですが…) 学生側も企業側も自分たちの良いところしか言わないし、「どんなデザイナーになりたいですか」「デザインで何を成し遂げたいですか」なんてそんなこと聞かれても働いてもないんだから知らないよ…って思うし、本当によくみんなやってるな、私もよく終わらせたな、と思います。
その上で、SNSで見るデザイナー就活コミュニティって割とキラキラしててニコニコしてて、なんかこんなに苦しいの私だけ?ってなっていました。でもアドベントカレンダーを見ている限りはどうやらみんなオブラートに包んでいるだけで結構苦しい方も多そうです。
どうにかなるんじゃなくてどうにかする
なんだかすごいパワー系の見出しになっちゃいましたね…?
デザイナーを目指して就活する、と決めた以上、結局は自分をなんとか納得させてどうにかするしかなくて。「どうにかした人間」の一例として私が考えていたこと・工夫していたことも書いておこうと思います。これはあくまで私の考え方なので、参考になるかはわからないです。
デザイナー就活のSNSアカウントはあんまり見ないようにした
SNSで頑張っている仲間を見て就活モチベが上がれば良いんですが、私は焦りが生まれるだけでした… デザイナー就活のSNSコミュニティってSNSやってるのがデフォルトみたいな空気があるかもしれませんが、そんなに重要な情報が四六時中流れてくるわけでもないな、と思ってほとんど趣味アカウントの方を見ていました。
信頼できる人とたくさん喋った
学校の友人:「たぶんもうPFのブラッシュアップじゃなくて面接対策した方がいいよ!」など濁さずしっかりアドバイスくれるのがとても心強かった。いい友達を持ちました。
デザイナー就活していない学外の友人:デザイナーを目指していると、「いいデザインができる人が偉い」「対して自分は何もできない駄目な人間だ」みたいな錯覚に陥ってしまっていたのですが、ボロボロのポートフォリオでも褒めてくれるので肯定感が上がりました。いい友達を持ちました。
ReDesigner for Studentの方々:もう愚痴を言っていた記憶が大半です。すみません。志望動機や強みの書き方、受ける企業の相談にも乗っていただきました。こういう素敵な方々に出会えるのは就活の数少ない良いことのうちの一つだな、と思います。
ESの設問は付け足して考えてみた
ちょっとノウハウみたいになっちゃうかも。志望動機・何やりたいか・長所・短所を聞かれても、大きな夢とかないし、長所もないし、寝てたい、遊びたい…となってしまうので、
志望動機を教えてください→(あなたが考えうるいくつかの)志望動機(の中で私たちが納得できそうなもの)を教えてください
あなたの強みを教えてください→あなたの(これまでの生活で培ってきた特性の中で)強み(と捉えられるもの)を教えてください
と一旦色々注釈をつけて考えてから元々の設問に対してどう返答するか考えていました。「自分の強みってなんだろうか…!?」とダイレクトに考えこむより、
自分の特性は片付けできない・集中できない・調べ物は得意・粘り強く実装できる・割と笑顔・飽き性・興味ないことはできないこと
このうち強みとも捉えられるものは調べ物は得意・粘り強く実装できる・割と笑顔で、飽き性も興味範囲が広いと捉えれば強みだな
そのうち就活で使えるのはこれかな
といった具合で段階立てて納得しながら考えられるので、個人的にはこの方法いいな、と思っています。
ポートフォリオの表紙をお気に入りにした
この工夫は結構良かったです!提出のたびに心が躍って楽しい気持ちになりました。今見るとまだまだ工夫できたな…とは思いますが、やっぱりお気に入りです。ピンクかわいい!ピースもしてる!3Dプリンタが宙を舞っている!かわいい!!
ポートフォリオに好きな作品ばかり載っけた
表紙に限らず、掲載している作品も大好きなものが多いので面接中に掲載作品を説明するときもニコニコで乗り切れました。制作エピソードもたくさんありました。こだわりポイントもブラッシュアップしたい箇所のこともたくさん語れました。
ある企業の方に「ものづくりが大好きなことがPFで伝わりますね」と言われたのが忘れられないのです。辛い就活期間の中で大好きなことを真正面から認めてもらえた時の嬉しさたるや!PFのおかげです。
ごほうびを作る
色々工夫はしたものの、結局考え方の転換ではどうにもならないくらい苦しかったので、もう全く別のイベントをたくさん散りばめて騙し騙し就活してました。
ESはコメダでケーキを食べながら書きました。気合いを入れたい面接の前はスターバックスのホワイトモカとキッシュを買って帰りました。美味しいごはんをたくさん食べました。就活真っ只中にお笑いライブ、音楽ライブ、沖縄旅行も行ってました。
旅行とかは体調崩す確率も高いので積極的におすすめできないのですが、可能な範囲で自分のことをたくさん甘やかしてもバチは当たらないのではないかと思います。
終わりに
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。長くなってしまいました。参考になる箇所、救いになる箇所はありましたでしょうか。長い割に結論はっきりしなくて時間の無駄だったわ…と思われている方がいたら本当にすみません。
ここからさらに就職活動も本格化しますね。体調に気をつけて、しっかり食事と睡眠をとって、情報収集はほどほどに、心身ともに健康に過ごせることを願っています。
なにかあればお気軽にX(@wa_ta__ga__shi)に〜!では!