Keyball を頑張って作った話

tesso
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公開:2024/9/27

どうも,tessoです.ずっと気になっていた Keyball 44を作ったので,その体験記を書きます.この記事を書くことを通してKeyball 44 のキー配置になれるといいな.

Keyball との出会い

アルバイト先の上司が 2022 年に買って良かったものに取り上げていて,そこで初めて知った.それまで新しいキーボードを買うモチベはあんまりなかった.mac のトラックパットのジェスチャが魅力的だったので,別でキーボード用意しても利点が小さいかなって思ってた.Keyballはトラックボールがついていて,手元で全ての操作が完結しそうだなと気になり始めた.

最近は,いろいろな技術コミュニティに顔を出す様になり,懇親会で自作キーボードの話を聞くことも多くなった.みんな楽しそうに話すし,大学も夏休みだったので挑戦してみることに.ちょうどKeyball 44の在庫も復活したので勢いでポチってみた.

このときは,キット自体は 2万円ほどだったので全部揃えても3万ぐらいかなって雑に考えていた.結局,せっかく作るならとこだわってもっと払うなんて事は知らない.

Keyball 44の素材をあつめる

公式のビルドガイドや他の人の体験記,Youtubeの動画を参考にキット以外にもキースイッチやキーキャップなどが必要な事を知る.遊舎工房のサイトをみながら色々決めていくが,めっちゃいろんな種類があってめちゃくちゃ困ったので,とりあえず店舗に行ってみることに.特に困ったのがキースイッチの部分でなんとなくしかキーボードを知らない自分にとって,何軸がいいかなんて全くわからなかった.店舗にキースイッチテスターがあり,それをカチカチしまくる事で,自分の好みを探索して行った.軸以外にもキー押下荷重にもいろいろな種類があって,これは深い沼だと思った.色々試した結果,リニア系で軽いのが好みだとわかり,店舗に行ってみてとても良かった.

キースイッチが決まったので,あとはAmazonと遊舎工房を中心に色々揃えていく.結果的に

こんな感じになった.tessoのアイコンの感じのキーボードを作ろうと感がていて,オレンジをアクセントカラーにして,薄いグレーをベースカラーにしようと考えて選んで行った.思ったよりも薄い感じの色が少なかった.今度は,ロープロファイルのキーキャップやケーブルは妥協した部分が多いので,そのうちいいものがあれば付け替えていこうと考えている.

Keyball 44を作っていく

なんだかんだパーツを集め始めて,2週間経って全て揃ったので,制作に取り掛かる.高校時代に使ってたハンダゴテを利用しながら半田付けを進めていく,思ったよりもダイオードが小さく苦戦した.米粒ほどのダイオードに小さな記号で極性が書いてあるので,それを読むのが大変だった.ダイオードをつけた後はLEDの取り付けを行う.LEDはつけなくとも動作するのだが,せっかく作るならと思いLEDを設置することにした.LEDをつけているときに,少し力を入れてしまって基盤のランドを剥がしてしまった.このときは,最悪LEDがつかなくなるだけだしと思い,放置してしまった.その後はキーソケットを半田付けし,Pro Micro のソケットもはんだ付けする.はじめて,コンスルーピンという存在を知ったので,このパーツの存在に感動した.このパーツのおかげでPro Microを壊しても簡単に交換できる様にしている.

Pro Microの取り付けが終わると,動作確認を行える.さすがに気をつけながら半田付けしたので動作するだろうと思ったが,全然そんなことはなかった.LEDも5個ぐらいしか光っていないし,いくつかのキーは入力されない.2時間ほど,はんだ付けし直しては動作確認を続けてやっとしっかりと動作することを確認できた.ここまでで5時間ほど経過していた.

動作チェックができたので,後はキースイッチとキーキャップだけだなと思いつつ作業を進めた.キースイッチを先ほどはんだ付けしたキーソケットに刺すのだが,あまりにも硬いので少しだけ力を入れてしまった.するとLEDの時と同様に基盤のランドが剥がれてしまった.どうやら,キーソケットの向きが間違っていた.もう一度,基盤を確認してみると何個か反対方向ではんだ付けしてしまっていた.LEDのときと異なり,ソケットのランドが剥がれてしまうと,キーボードとして動作しないので流石に焦った.ただでさえキー数が少ないキーボードなのに,1つ使えないのは致命的である.

作り直しかなと思いつつも,諦めずに対策を検索すると,応急処置動画をみつけた.https://youtu.be/nIMmnfnOYrU?si=_XG3TeLBqsL-st94 どうやら,エナメル線でつける模様.さっそくホームセンターに行き,エナメル線を購入した.いきなり,キースイッチでやると不安なので,LEDの方から修正することにした.エナメル線で修正するには,部品のどこをつなげるのかを知る必要がある.そのため,基盤のパターンと回路図を見比べながら進めていった.Keyballは トラックボールを左右どちらでもつけれる設計なので,パターンが複雑でかなり見つけるのが大変だった.また,部品も非常に小さいので,なかなかエナメル線とくっつかず,はんだ付けにも苦労した.1つのパーツを修正するだけで1時間もかけてしまっていた.キースイッチの方も同様にエナメル線で修正していく.基盤の見た目は悪くなってしまったが,なんとか修復することができ,ひと安心である.

なんだかんだありながら,全てのパーツを組み立てることができた.最後に,全てのキーを押して入力されるかを試したら完成というところまで来た.すんなりいくこともなく,いくつかのキーが反応しなかった.基板と睨めっこしながら,ハンダ不良のところだったり,パーツが壊れているところだったりを直しながら,なんとか全てのキーが反応し無事完成させることができた.

エグい達成感がある.

Keyball 44を設定する

この記事を制作しながら,Remapを用いてキーマップを変更していった.はじめに,Keyball 44の設定を調整する前に知っておくといいことをまとめておく.

  • layer3 で マウスホイール

  • ポインタ感度やホイール感度をlayer3のボタンで変更できる

  • Brightnessを100にすると反応しなくなる

    • 環境に左右されるかもしれない

  • US設定のままの方がいい

あんまり調べても出てこないので,地味に困った.

キーマップにこだわりはないので,デフォルトで書き込まれていた設定を元に改変していく形式にした.

https://remap-keys.app/catalog/tAJ9Htme4oNabUkx4832/keymap?id=jUZt5rfHVP1MHA6ZEUm5

layer0を文字にして,layer1をマウス操作,layer2は記号,layer3はマウスホイールという形にしている.デフォルトでは,layer3にさまざまな設定を変更するボタンが割り振られている.なれないときに,このボタンを間違えて押すことが頻発したので,普段使いでは削除している.

Keyball 44を1日使った感想

ホームポジションとか考えずに雰囲気でタイピングしている勢からすると,分割キーボードへの移行は大変苦しい.特に,YHNTGB周りのキーが曖昧なので,押し間違いが発生する.また,カラムスタッガードなのも大変.キーの位置を相対的におぼえていたため, 小指側の見えないキーの押し間違いが頻発した.初めてなことだらけなので,押し間違えは頻発するし,手も3倍ほどつかれる.すでに挫折しそうだが,せっかく頑張って作ったのだし,慣れれば楽そうな気がしているので,とりあえず1ヶ月はゆっくり使ってみようと思う.

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