毎年、元旦に家族で本屋に行くことになっている。いつから始まったのかよく分からない習慣ではあるけど、新年の一冊目を決める時間は結構気に入っている。
今年の1冊目は、昨年のランキング書籍に並んでいた「一汁一菜でよいという提案」/土井善晴
土井先生が口にする言葉が度々、ネットで話題になっていることは知っていたが、本を読んだことはなかった。
読んでみると、まぁ分からない。かなり、分からなかった。文章が持つ意味を理解しようとしても、そもそも土井先生と世界の見え方があまりに違うので自分の中に落とし込めない。同じ段落を2.3回読み直しながら読み進めた。
脳みそをスーッと通り抜け、おおまかなところしか自分の脳に残らない。そんな感覚だった。
でも、不思議なことに「これは、分かる日がいつか来るんだろうな」と感じた。
分からないけど、分かりたい。分からないけど、共感できる日が来る気がした。
今は、文章が持つ言葉としての意味を理解する段階で、それが次にどんな種類の感情なのかを理解する段階へと進み、最後に自分の気持ちとしてどう蓄積するのか決めていく。
それは、単発的な1年やそこらでできるものではなく、年を重ねてもう一度読んだ時に初めて理解できるものなのかも。と読んでいて感じた。
そういう、時間をかけて大切に読み込んで、じっくりと自分の口の中で言葉を転がす本とたくさん出会えると良いな。