Aro/Ace入門書

Midori
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公開:2025/3/9

『アセクシュアル アロマンティック入門』(集英社新書)読了。セクマイ関連本のなかでもこのトピックは珍しい。私自身、恋愛というものが何なのか、なぜこんなにも常識的で規範的なのか謎だったため、グッドタイミングの本である。

本書の一貫したメッセージは決してセクマイのいちジャンルとして分離することではなく、Aro/Aceの概念を通じてセクシュアリティそのものの枠組みや社会のあり方に問いをなげかけるものである。特定の少数者の話ではなく、人間誰しも関係する話だと思った。

主な内容

  • 言葉の定義

    アセクシュアルを「性的に惹かれない」アロマンティックを「恋愛的に惹かれない」としておりわかりやすい。マジョリティを指す接頭語「アロー(allo)」があることを知った。

  • 歴史

    他のセクマイ同様、診断され病理化されていた過去。オンラインコミュニティで議論され用語が生まれてきた2000年代。

  • 統計調査

    調査から見えてくる実社会の様々な問題。世間や家族の固定観念や認識的不正義によって被る当事者の生きづらさが見えてくる。

  • フーコーのセクシュアリティ理論

    ここは専門的すぎて正直読みづらかった。もう少し端折っても良いのでは。

  • 性の二重規範

    セクシュアリティ概念の男女間の非中立性・非対称性。女性は受け身的であるべきとか男性は性的にリードするものだとする規範に固執した強制的(異)性愛による弊害は未だ多い。

  • Aro/Aceのレンズを通して見えてくるもの

    友達以上恋人未満や独身差別、日本における結婚観の変化や家族の形の問い。小説や二次元におけるAro/Ace的読みなど一般的・普遍的な話題となっており、すごく面白かった。

新書としてコンパクトながら視座の高い内容となっていて、Aro/Aceにまつわる現況を俯瞰することができる。示唆に富む一冊。

私自身は、Aro/Aceであるとアピールするつもりはなく、流動的である。用語によってその定義に囚われることがないよう留意したいとも思う。

@tgmidori
みどりです。