12. ワールドアパート

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2024年3月27日(水)

アジカンのブームが再燃。久しぶりに「ワールドアパート」を聴いた。ゴッチは「遠く向こうで/ビルに虚しさが刺さって/六畳のアパートの現実は麻痺した」と歌う。リリースは2006年だが、世の中は相変わらずだ。インスタに大学生たちの卒業式の写真がちらほらと現れる。明るい。私の卒業式は2011年。震災の年だ。記憶は曖昧で、開かれなかったのか、行かなかったのか、延期だったのか。「卒業」も「就活」も有耶無耶だった。ここの項目はチェックが付けられない。永遠に。グレーアウトのバグが継続中。

2024年4月1日(月)

渋谷へ。到着と同時に雨天。久しぶりにイメージフォーラムに向かう。フリーヌル・パルマソン『ゴッドランド』を鑑賞。画面のサイズは窮屈だが、映し出されるアイスランドの自然は雄大。アンバランスな印象も受けるが、アイスランドの土地と人々を軽んずる主人公の了見の狭さが重なる。個人的な考えだが、写真の楽しさは偶発を追い求めるか、または意図的に写すかだ。主人公の写真は後者だった。鑑賞中、アレック・ソスの展示を思い出した。

2024年4月6日(土)

最寄りの公園へ。適当なお惣菜とお酒を買い、湯気ちゃんと夜桜の花見。『違国日記』の感想の流れで、言葉のチョイスと使い方の話題に触れる。「信用」と「信頼」の明確な違いを教わり、教養のレベルが上がった。私も「言葉」が好きだが、如何せん、学びが足りない。読書量は激減。改善が必要だ。外気の気配に誘われて、夜道を歩いた。武蔵野市某所の異様なセブンイレブンが怖かった。

2024年4月11日(木)

品川へ。クリストファー・ノーラン『オッペンハイマー』を鑑賞。作品の出来は兎も角、好みとは言えず。日本はすかすかの正義感と建前上の抑止力の見せしめに原爆を落とされた。それを味わう映画だった。ひたすら、原爆に対する解像度の違いを見せつけられて、劇中の軽率な言葉と振る舞いに落ち込み、怒る。必然的に物語のピークは原爆の投下なので、終盤のオッペンハイマーの生涯に興味は湧かず。感情が動かなかった。反面、これはエンタメの作品だ。映像の凄みはもちろん、ハリウッドのスターたちの顔ぶれも豪華。ただ、エンタメと割り切るのは難しい。

@tgmrmzk
大晦日に生まれた。