先日、雨が降った。ごうごうと大雨、ごろごろと雷もよく鳴った。雨が降り出す前から風は強く、これぞまさに春嵐。
春、特に四月。案外よく雨が降るなあ、と思う。菜種梅雨という言葉があるくらいだ、雨降る季節なのだろう。晴れの日の麗らかさがこころに残るから、「案外よく降る」なんて印象になるのかしら。
ぱらぱらと小雨だったりもする。しとしとと降りもする。ざあざあと本降りにもなる。先日のように、ごうごうと降ることもある。雷を引き連れてこられると、少し身がまえる。ごろごろ唸って「いまから落ちるぞ」と予告をしておきながら落ちなかったり、かと思えば突然どおんと落ちてきたり。雷って、お化け屋敷みたいなのだ。私はお化け屋敷やホラーゲームで平然としていられる胆力がないので、それと同じく、雷にもかまえてしまう。
それでも、雨上がりの朝。道端の植物を濡らす雨露が、そのときは一際きらきらしていたから。春嵐もまた、いとおかし。