春うらら、暁を覚えない季節である。ぽかぽかと心地好い陽気は、いつの時間も眠気を誘う。休日の昼下がりなんて尚更だ。今日このあとの予定もないし、と思えば最後、午睡の世界にご招待される。だが正直なところ、季節で眠気を選べたためしがない。眠たいときはいつだって眠たいし、眠りたいという欲望はいつだって私のなかにある。
春はぽかぽか陽気のなかでうたた寝したいし、夏は冷房の効いた部屋でブランケットをかぶってひと眠りしたい。秋の爽やかな空気はまさしくお昼寝日和だし、小春日和を迎えた冬に窓際で眠る幸福といったらない。
晴れの日のお昼寝は心地好い、だが雨の日のうたた寝も悪くない。しっとりとした空気と、ぱらぱらと降る雨音の単調さ。それが晴れの日の陽気に負けず劣らず、私を眠りの世界に誘うのである。低気圧が頭と肩を苦しめるときは殊更に、その一睡が救いにもなる。
朝はぐずぐずと枕にしがみつくし、昼はお昼ごはんを食べたあと睡魔に襲われる。夜になると一日の疲れがどっと押し寄せ、昏倒するかのように眠ってしまう。春夏秋冬四六時中、眠りの世界はいつだって私を手招きしているのだ。
悩むべくは、私が眠りに貪欲なあまり、妙ちきりんな姿勢でも寝続けてしまうことだろうか。私よ、そこは身体のために起きてもう少し体勢を整えてくれ、と思うのだが、それが出来ないのもわかってしまう。ウンウン、少しでも眠っていたいもんな。