なにかを食べて「美味しい〜!」となる瞬間は、決め込んだ惰眠を貪っているときに勝るとも劣らないほど幸福だ。
美味しさを堪能出来る時間は貴重なものだ。どれほど贄を尽くしたフルコースを振舞われようと「これを食べたあとは孤島で他の参加者たちとデスゲームをしてもらいます! 頑張って生き延びてね!」なんて言われてしまったら、味わうどころの話ではない。最高級の焼肉だって、ヘビィな胃腸風邪の真っ只中では肉体が受けつけようとしない。美味しいものを「美味しい!」とするには、こころも身体も元気でなければいけないのだ。
だがこころと身体に元気があって、ストレッサーに追われてもいないとき。その状態で食べるごはんやおやつは本当に、大層、格別に美味しい。とっておきのご褒美スイーツ、友人が美味しいと勧めてくれたおやつ、巷で評判のスナック。次の日が休みのときに飲むお酒、お酒に併せて用意したおつまみ。料理上手な方に教えてもらったレシピのごはん、なんか思ってたより美味しく作れたいつもの副菜。ごはんもおやつもおつまみも、お茶もお酒も全部が美味しい。食べるもの自体はもちろんのこと、美味しく味わえる環境までひっくるめて「美味しい」のである。
私は、その「美味しい」が好きだ。だから私は「美味しいごはん」も好きだけど、「ごはん美味しい」が殊更に好きなのだ。
さあ、次の休みはどんな「ごはん美味しい」を堪能しようか。