春の夜、本を読む

チリめん
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 4月の間、本を3冊読んだ。読書は好きだがここ数年は月に1冊どころか年に何冊読んだだろう、という状態だったので、私比なかなかの読書量である。

 本を読みたいシーズンが到来したのもある。ネップリで可愛いブックカバーを印刷させて頂いたので、それを使いたかったというのもある。出かけた際に、気になる本を買ったのも大きい。そしてなにより、本の話をする友人がたくさん出来た。友人たちの好きな本や作家の話を聞いたり、本に関する何気ないノートを拝見したりするたび、本への欲がもくもく高く伸びていたのである。

 友人の好きなものや、楽しそうに触れているものは、一際輝いて見える。幼い頃から誰かが自分の知らないことを楽しそうにしていると「それなに!? 楽しそう、私もやる!!」と首を突っ込みたがる性分だった。恐らくその性分がかたちを変えて現れているのだろう、三つ子の魂なんとやらである。

 でもそれって、自分ひとりでは生まれ得ない感情だ。親しい他者がいてこそ見つけられる喜びは、私にとって、有ることが難しい、すなわち有難い。だからいま、本を読むことが一層楽しい。

 そして実は、買ったのにまだ手をつけられていない本がある。なので、友人がいてこそ生まれたわくわくを片手に、新たな本を読むわくわくでもう片方の手を塞ぐのだ。

@th1rimen
ほどほどに生きて、ときどき綴る。