12/31も23:30を過ぎたあたりだろうか。イシコさんが12/31限定でBoothに出品している絵をディスカウントしてくれる、と言うのに自分の身の回りがあまりよろしくないせいもあって、妻との関係性も自分の心もやっと落ち着いた時点でイシコさんがブルルンタウンで「特に(購入希望が)なさそうでちょっと寂しい」とつぶやいていたので急に思い出しDMでまだ大丈夫ですか?と確認して前からほしかった絵を数点を安くしていただき、この際に、と新しく出品されていた小さな作品を数点購入した。購入完了が日を跨いでいたので、「初売りはイシコさんの絵画セットを買った」ということになる。
冒頭の画像ポストの「懐かしい匂い」について、私は小学校1年生の時にたまたま誕生日順で席が後ろになった「たい君」(あえて当時呼んでいた名前で書こう)がプリントの余白や裏紙に描く絵を見て彼と彼の描く絵がとても好きになり、友だちになった。「僕にも絵が描かけるかな?」と聞いたんだろう、彼が絵画教室に通っていることを知り、親にお願いして自分もその絵画教室に通うことになった。
中学校2年生ぐらいまで続けていたと思う。小学生の頃は水彩、アクリル、油彩。テーマこそ先生が決めていたもののただ好きに自由に絵を描いていた。ダンボールを開けた時にした匂いはその時のバス停留所の裏にある駐車場の隅に建てられたプレハブの教室と同じ匂いがした。
中学に進学すると「静物デッサン」をするようになったのだが、性分により何事にも集中できず、努力と研鑽が出来ない自分は恐ろしいほど目に映る被写体をキャンパス上に落とし込むことが出来ず、それが当たり前にできる隣で同じ被写体を写実的に描く「たい君」のとの実力差を目の当たりにしてなんだか続けるのが辛くなって(他の遊びが楽しかったのもあったのかも知れない)絵画教室を辞めた。
「たい君」の事は中学に上がった頃から「やす君」と呼ぶようになり、やがて彼の雅号(でありハンドルネーム)である「ヤスジロウさん」と呼ぶようになった。以前ほどは頻繁ではないが未だに交流が続いている。気がつけば40年来の友人だ。(彼は普通に就職をし、趣味で絵を描いたり溶接免許まで取ってキャンプ用品を作ったりしている。)
ダンボールを開けた時、イシコさんの作品からその夏か良い匂いと記憶と自分が好きなものを色々思い出した。
久しぶりに「ある作家さんの絵を買ったよ」とヤスジロウさんに連絡を取ろうか。