放送後、自分のTLに流れてきた感想を見て、冬雨の言動に疑問を感じて怒っているレズビアン当事者の方が多くて、それに関しては「一石を投じてくれてありがとう」という気持ちにはなった。
前置き
人間性の薄っぺらさが露呈するのであんまりこういう文章は残してない気がするんだけど、文章書くのは好きなのでやっちまうんだよな。
誰かも言ってたように、自分がこれを書いて公開しておけば、いつか誰かの何かに役に立つかもしれないので、公開しておこうと思う。ここに置いてある文書は、みんなそんなスタンスで書いた。結構思い付きで書くので、まとまりのない、読みづらいものになってると思う。それでもお付き合いいただける方は、ぜひ。
前提というか、これを書くにあたって、自分の立ち位置は再度明確にしておかなきゃいけないとは思うので、以下に少しだけ記す。
性自認はノンバイナリー。フルイディティも少しあって、性自認に関しては納得はいってないけどとりあえず現状で表現するなら、前述。恋愛的指向はウーマロマンティックだけど、若干アセクシャルでもある。性的指向はリスセクシャルが一番近いと思うけど、そこもかっちり定義にはまってる気はしない。
その当時既婚、子持ちの女性とも付き合ったことはあって、その過程でやむにやまれず両親に「女の人と付き合ってる」とカムアウトしたこともあり。
現在は既婚で、子供もいる。
勉強不足な面もあるし、認識に差異があるかもしれないけど、自分という存在を表すのに現状では上述が一番近いと思ってる。グラデーションすごいねぇ。
本題
さて、では。先にもやもや感じたところを書いてから、良かったと感じたところを書いていこうかと思う。
■もやもやの方
私のチェイサーゲームW最終回に関して、もやもやした点をはっきりさせておきたいと思う。
最大のもやもやは、時間経過。冒頭で浩宇に対して愛してる、やり直したいと冬雨は言っているけど、樹の元に戻ってくるまでの時間経過が短い気がするという点。というか、描写が足りなさ過ぎてそう感じてしまってるんだろうけど、ここが一番もやもやした。それに付随して、月ちゃん大丈夫かなって。
少し、時間の経過をドラマから読み取ってみようと思う。
まず、冬雨と別れた樹が翌日に退職届を出した。美咲と綾香が子育て落ち着いたって言ってるけど、「子育て落ち着いた」は個人個人で感じるタイミングが違うので何とも言い難いところはあるから特定が難しい。ここをどう捉えるかでいろいろ変わってくると思う。小松莉沙がヴィンセントで3ヶ月働いたみたいなので、少なくとも3ヶ月は経過している。天女世界の完結も、ウェブトゥーンみたいなので、ウェブ上での完結なのかコミック最終巻発売なのかでも変わって来るし、どこまで進んでいて、どのペースで進行してるか、刊行のペースはどれくらいかとかで変わってくるので読めない。
以上から、自分の感覚としては長くても2年くらいに感じる。でも余白はあるから、10年だって20年だって経ってることにもできるとは思うけど。
人間関係なんて生もので、予想外のことが起きてとんとん拍子に決着がつくこともあるだろうけど、にしてもなぁ、冬雨の宣言とか樹の断腸の思いとか、そんな簡単でいいのかなぁと思ってしまった。
で、月ちゃん。子供に関して。
オトナはどうでもいいんだよ、自分で自分のこと面倒見ればいいんだから。浩宇も冬雨も自分の面倒は見られるくらいには精神的に健全に見えるから、大人はどうでもいいんだホント。問題は子供。子供って、まだまだ世界が狭くて、見識も狭くて、自分でどこか行ったりストレス発散したり上手くできなくて、環境が悪いとどんどん良くないものが溜まっていくんだよ。ちゃんとケアして、子供なりに納得できる形で決着していてくれればいいと願ってる。創作物の登場人物でも、そう願わずにはいられない。
でも、最終的に冬雨は全部に決着つけてきたんだろうなっていう読み取りはできるようになっていたから、もう少しわかりやすい描写があれば自分はこんなにもやもやしないで済んだのかもしれない。
■良かった方
とにかく、主演のお二人の演技。なんか気持ちがわかる。
「私はレズビアンです」って言ってる最中は、顔上げられないのが本当に気持ち表れててすごいなと思ったけど、言い切った後にしっかり顔上げられてるのが強いなとも思った。
樹は、ホントに健気で一途で、踏んだり蹴ったりで泣ける。あんな彼女いたら人生が変わっていたかもしれないと思えるくらいにはいい子だったなぁ樹。
どちらかというと、冬雨の気持ちの揺れ方がリアルに感じられた。多かれ少なかれ、似たような状況になったことあるし。冬雨のキャラクタとしての描かれ方は、あり得るなという思いがあるので、矛盾ももやもやも感じなかった。
全体を通して、ちゃんと向き合ってくれているなという気持ちはした。日本のTVドラマって、BLが圧倒的に多い感じがして、GLがメインでこういう描き方をしてくれるドラマって今までなかったように思う。ただ、レズビアンものが少ないがゆえに、それ以外の要素を絡めてくるのはまだ早計なのかな、とも思った。ゲイ、レズビアン、トランス、まだまだ日本のそれらに対する見識は未成熟で、偏見も多いから。そこの認識が成熟してきて、さらにその中にもまたマイノリティはいるんだよっていう段階を経た方が平和だった気もする。
と思うのと同時に、そういうところに一石を投じてもらわないと、グラデーションがある人たちへの接し方が変わらないよな、という思いもあって、今回はオーディエンスの反応も含めて面白かったと思った。
終わりに
感覚が若いレズビアン当事者の方に多いと思うんだけど、女性を愛する女性のみしか許容できなくて、女性も愛するけど男性とも肉体関係を持てる人を排斥しようとする動きは、私も感じたことがある。私は、付き合っていたカノジョに面と向かってそれをやられた。男の人に酷いことをされたとか、男の人が生理的に受け付けない人がいるのはわかるし、それは仕方のないことだと思うんだけど、受け付けないから排除しようとして攻撃するのは違うと思うんだよね。何を言っても対立側からの意見にはなってしまうだろうけど。クラスルームのいじめに似てると思う。上手くまとめられないな。
マイノリティの中にもマイノリティはいるわけで、どうしたって。でも、そんな人たちにも当然葛藤や悩みはあるんだよね。マイノリティである前に、一人の人間なんだよね、みんな。どうしても許容できないのであれば、そっと距離を取ってほしいと思う。そういう人たちがいるってことに最初から拒否感を持つんじゃなくて、いったん冷静にそういう人もいるんだってことを思ってほしい。それで自分とは相容れないと思ったら、距離を取ってほしい。
いやなんか、結局何が言いたいかわからなくなってるけど、とりあえずそんなことを思っている。
まとまりなさ過ぎて泣ける。後日、このドラマ全体に関しての感想を書くかもしれないし、書かないかもしれない。いちおう、零細CG制作会社にいたこともあるから、その辺も少し触れられるけど……。
ひっそり公開してるかもしれないので、ご縁があれば。