ルゥの半身となる前の土岐薫は、封印核がある孤島にて救助活動を行っていた。
もうすぐこの封印核は一帯を巻き込んだ爆発を起こすとの事。
住民達の救助活動が今回の任務の内容。
住民達をバケモノから護衛しながらマグメルへと輸送する部隊へと引き渡していき任務は順調に進んでいた。
…全員の救助が終わったであろうその時だった。
ゴーンゴーンと鐘の音が辺りに鳴り響いた。
鐘の音の方へ視線を送るとそこには逃げ遅れた住民達と子供達。
大人達は子供を押しのけてでも生きようと必死で押しのけられた子供は転んでしまっていた。
薫は迷わずバケモノ前に降り立った。
「僕が気を引き付けます!貴方達はこの先にある輸送地点へ向かってください!」
「立てる?もう少しだよ。急いで!」
薫はパニックになっている大人達に声をかけた。
転んでる子供には優しく声をかけながら安心させ、その場から住民達を退かせた。
この場に残るのは、バケモノと薫だけ。
鐘のバケモノは思ったよりもずっと大きく足が震えた。
本当に勝てるのだろうか?生きて帰れるだろうか?
そんな不安が薫に押し寄せる。
結末はわかっていた、身体が思うように動かなくて心臓を損傷し敗北した。
体が冷たくなっていく、感覚が薄れていく
視界が暗くなって…薫の意識はそこで途切れた。
目を覚ますと見知らぬ場所にいた。
「…んぅ……」
そしてー…朦朧とした意識がだんだんとハッキリしてくる。
目の前に飛び込んできたのは
傍らに白髪の小柄な吸血鬼が横たわっていた。
「…っ!?…」
バッと勢いよく上体を起こす。
彼女はすぐ目を覚まし、状況説明をしてくれた。
あの後、薫は1度死亡してしまった。
その事実を受け入れがたくも戸惑いながら話を聞いた。
彼女の名前はルゥ。
彼女から心臓を半分補ってもらったことにより2度目の人生が幕を開けたのだった。