冬の朝

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朝のラッシュで込み合う中で、気持ちは急くのに赤信号。隣の車線には幼稚園バス。窓の向こうに上を向き、ポカンと口を明けて、すっかり眠っている黄色い帽子の女の子。二つ結びの長い髪に、赤いリボンを結んで。

ほら。朝だよ。目を覚まして。空には薄く白い月がまだのぞいているけど、雲のすき間から日が差して、眩しい光に包まれる冬の日。きっと楽しい1日が待っているから。

まだ切ない痛みなどなにもかも知らず、純粋に、希望や期待に胸をふくらませていたあの小さき日々を思う。