5〜6年ぶりに京都を訪れた。ちなみに前回訪れた時は、後に入院するレベルの体調不良に陥っており、ホテルのベッドでうなされていたことと、這いつくばるように近くのコンビニへ行って食べられそうなものを仕入れてきた記憶しかない。なので、観光する余裕を持って訪れるのはかなり久しぶりだった。
京都に行こう、と思い立ったのは、ゲーム刀剣乱舞とコラボした御朱印がいただけるとの情報を得たからだ。そして会社のリフレッシュ休暇制度をぼちぼち使用しなければならない時期になっていた。それならもう、京都行くか。というわけで(中略)、京都を訪れた。(本当にいろいろあったが、とりあえず中略)
京都駅到着、ホテルにスーツケースを預け、いざ出陣だ。まずは腹ごしらえにと、今出川駅から歩いて10分ほどのところにあるカフェを目指す。事前に地図を見て「晴明神社のあたりね」とさも土地勘があるように振る舞っていたが、いきなり道を間違えた。しかも駅から出てすぐの十字路で、だ。こういう時に「自分、この辺の住民なんで!」というツラをしてしまうのだが、どこからどう見ても迷い込んだ観光客。観光客はなんとかダンジョンを脱出し、既に6組ほど並んでいる待機列に並んだ。1時間ほど並んで食べたタルトは見目麗しく、味も良い。どうせなら友人とおしゃべりしながらタルトをつつきたいが、わたしの同行者はアクリル製の薄っぺらい推し(通称アクスタ)だ。サッとアクスタを添えて写真を撮ったら、ササッと完食して小雨の中待っている人たちに席を譲る……というのは建前で、本音は御朱印の受付終了時間が迫っていたからだ。うおお、急げ。
次なる目的地が旅の目的地、建勲神社である。今日まで名称以外ろくに下調べしていなかったので、マリオワールドみたいな立体ダンジョンに「ひえ……」と声が出た。社殿までの階段で、おそらく一ヶ月分の運動をした気がする。ゼエゼエハァハァ言いながら階段を上りきり、信長公にご挨拶。次に社務所へ向かい、「すみません……へし切り長谷部の御朱印を……」と申し出ると、やたらコミュ力の高いおじさんに「長谷部の女ってすぐわかったよ!」と言われた。そんなに長谷部っぽいのかと思ったが、よく考えたら薄紫のニットを着ていた。無意識長谷部。
へし切り長谷部の御朱印をいただいたら、ここで目的は達成だ。あとは全て消化試合。さてどうするか考えて錦市場へ向かったのだが、またしても道を間違えた。
錦市場は基本的に立ち食いの場所である。ゆえに溢して服を汚したらいやだな〜と思っていだが、数分後にたいやき(カスタード)を頬張っていた。さらにその後はたこ焼きを食べた。普段の生活圏では銀だこの外カリカリ、もしくはスーパーのお惣菜の妙にふんわりしたたこ焼きのどちらかしかお目にかかれない。たこ焼きはトロトロ派のわたしは、冷食のたこ焼きでぶよぶよになるタイプを偏愛している。チンし終わった後ぺしゃんこになるくらいの柔らかさが好きだ。しかしこれは、レンチンではなく焼きたてのトロトロたこ焼きである。一人でも、目尻をでれでれに下げてトロトロを味わった。
ほくほくしながら京都駅に戻り、飲み物や食べ物を買い込んでホテルへ向かう。チェックイン後は速攻で『光る君へ』を観た。
いや〜もうお腹もいっぱいだし、さっさとお風呂を済ませてしまおうと、バスタブにお湯をためることにした。温度調整がよくわからないからこれくらいでいいかと適当に調節し、BARTH入浴剤を放り込む。(よく眠れると評判のBARTH入浴剤。わたしは専らライブで泊まる日に使っている)その間に歯を磨いたりクレンジングをしたりして、--いざ!
「ぅおあっつうううううう!!!」
お湯が熱すぎた。たぶん45℃くらいあった。
冷めるまで待つか、いやもうこっちは全裸だ。また服を着るのはなんか癪だ。わたしはバスタブの栓を抜き、お湯を抜きながら冷水を注ぎ、更に適温になるまでバッシャバッシャとかき混ぜた。これは草津温泉の湯もみではないか。湯もみならあの板が欲しい。未だ熱いお湯のせいで、かき混ぜる手が真っ赤になっている。湯もみの板を乞いながら10分ほどかき混ぜ続け、なんとかお湯は適温になった。(BARTHの溶けたお湯は半分くらい流れてしまったのだが、BARTHは半分でも効果があった。)
寝る前に部屋の加湿器のタンクに水を入れ……ようとしたら、シャワーと蛇口のレバーを間違えて水を被り、泣く泣く再度ドライヤーで乾かした。踏んだり蹴ったりで、0.5日は過ぎていった。