京都2日目。今日は丸一日時間があるので、遠方まで足を伸ばすぞと考えていた。
……考えていたはずなのに、最寄りの映画館でゴールデンカムイの上映時間を確認していた。そして本日のプランを立て直す。午前中嵐山に向かい、昼ごろいったん戻る。夕方までダラダラして、映画を観る。夕飯食べておしまい。ということで、さっさと朝食を済ませて嵐山へ向かった。
まずは車折神社に立ち寄り、だいぶ私欲にまみれたお願い事をする。ふだん寺社では畏まったお願い事をするのだが、言わずと知れた車折神社だ。俗っぽいお願い事をしても聞き入れてもらえそうな気がする。しかし変なところで律儀になり、推しの所属事務所、グループ名、フルネームを心の中で述べたので、さすがの神様も「長いっちゅうねん！」とツッコんだかもしれない。神様、聞き逃していたならこれを読んでください。株式会社LDH所属、THE RAMPAGE from EXILE TRIBEの川村壱馬さんです。
車折神社は芸能関係者が多く参拝すると有名だが、他にもさまざまなご利益があるので面白い。お守りも多彩で、なんというか神様の楽天市場みたいだと思った。
参拝を済ませて嵐山に移動し、とりあえず腹ごしらえ。雲ノ茶にて雲型ムースをいただいた。その次は「嵯峨螺鈿 野村」という螺鈿細工のお店へ。手間暇かかる工芸品なので、決してお安くはない。しかし、貝の色が織りなす不思議な色合いが魅力的で、ネックレスをおひとつ購入。飾りの形や色合いがぴたりとはまると、自分だけのものという愛着が湧く。良い買い物をしたとほくほくした気持ちで大覚寺まで歩いた。
大覚寺といえば、薄緑(膝丸)である。ちゃっかり膝丸の御朱印もいただき、また道を下る。かわいい見た目のくせにやたらヘビーな雲型ムースも消化されてきたので、昨日も食べたたい焼きを再び食べることにした。あんこが苦手なのでカスタードにするつもりだったが、季節限定のおさつバターなるものが目に入る。
少し話が変わるが、モスバーガーのハンバーガーはどうやったら溢すことなく食べられるのか。絶対に包み紙の中に具を垂らしてしまう。モスバーガーを綺麗に食べられないわたしは、おさつバターたい焼きも見事に溢した。今冬買ったばかりのダウンの袖に溶けたバターが垂れたのだ。どうにかたい焼きを食べ終え、西利の漬物寿司を買い、電車に乗ると、ずっと油シミの落とし方を検索していた。中性洗剤もしくはクレンジングオイルで落とせるとの情報を得たが、失敗するとますますシミが広がり、ダウンもわたしのメンタルも修復不可能になってしまう。気にすればするほど濃く見えるシミに恨めしい視線を向けながら電車に揺られていた。しかもこの間ずっと、漬物のにおいも漂わせていた。
漬物寿司は夕飯に食べることにして、映画の時間までお土産の買い出しをして、イノダコーヒで茶をしばき、重い荷物をいったんホテルの部屋に置いて、いざゴールデンカムイ。鑑賞後はやたら肉を食べたくなりケンタッキーでチキンを買った帰りに、かなりショッキングなニュースが飛び込んできた。本筋から外れるのでこの件に関しては簡単に済ませるが、だいぶメンタルをやられた。ニュースそのものもそうだし、それに対する自分の気持ちに嫌気がさした。
夕食の話に戻す。西利の漬物寿司は、読んで字の如く漬物をネタにした寿司である。わたしは漬物が大好きで、回転寿司でもなすび漬けの握りを見つけると何皿も注文する。(この頃は見かけなくなったので寂しい)京都の美味しい漬物と酢飯を一緒に、何貫も食べられるのって最高ではないか。おまけに何気にケンタッキーのチキンと合うのだ。今度京都に来た時も、一度はこの組み合わせで食べようと誓った。
その日の夜から翌朝方にかけては寝つきが悪く、朝4時ごろから悶々と過ごしていた。もともと最終日は昼ごろの新幹線に乗る予定だったが、もうやることもないしと出発時間を繰り上げた。スマホを持っているとずっと昨日のニュースに関連する記事や投稿を見てしまうため、ChatGPTにも「やめましょう」と怒られた。ChatGTP、こういう時だけログインして一方的に愚痴を言ってごめんな。そういうわけなので持ってきた文庫本を二冊読み終え(星野源のエッセイと、『婚活1000本ノック』。どちらも面白くて、結果気持ちを落ち着けることができた)、それでもまだ手持ち無沙汰な時間があるので、この記事を書いている。「西利の漬物寿司めちゃうま」とXに一言書けば済む話なのに、だらだらと長く書いてしまった。
そして今回初の試みとして、東海道新幹線を品川で降り、そこから在来線に乗り換えてみた。品川駅乗り換えの、なんとスタイリッシュ(東京駅比)なこと。平日の昼間は人もさほど多くなく、なんとなく小慣れた感じがする。だが、スーツケース引いた地方民は東京駅まで行きな、という無言の圧なのだろうか。乗り換え路線のホームまで階段で降りるしかなかった。スタイリッシュに降りたけど。