保険証の名義変更のため窓口たらい回しにされ3時間もかかったのはおかしい、抗議文と要請を送った

意灰 ihai
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勢いに任せてガーーーっっと書いたのでちょっと読みにくい感じになったけど、声を上げた!とシェアするのは、常に抑圧にさらされているクィアのひとたちのためになると思うから共有してみる。(※筆者はAジェンダーのノンバイナリー)

なんか問題のある記事を引用していたら、そっと教えてくれると助かります…

本文

[すんでるとこ]に住むノンバイナリーです。抗議と要請をお伝えするべく筆を取ります。

ノンバイナリーについて

抗議①

以下の厚労省の通達を見て、○月○日の午後、健康保険証の通称名に変更するべく役所を訪れました。

その結果、窓口をたらい回しにされました。どこの部署で対応できるか適切な案内がなされなかったです。

はじめ国保の窓口に行き健康保険証の名義を通称名に変更したい旨を伝えました(戸籍の名称を変更するわけでは無い旨も伝えました)。 「住民票の窓口に行って下さい」と案内され、そこでまた健康保険証の名義を通称名に変更したい旨を伝えました。その後、1時間待たされた窓口で、「ここで手続きできない」と言われました。「初めに行った窓口で田中(※仮)さんを呼べば対応してくれる」と取り次いでもらいました。国保の窓口で「田中さんを呼んでください」と言っても、だれも「…?しりません…」みたいな顔をしていて、田中さんは出てきませんでした。その後待たされ、下山(※仮)さんという方に対応していただきました。

その日、確定申告の医療費控除の相談をする予定だったのに、終わった時には17時をすぎ、相談ができませんでした。

要請①役所内スタッフの情報伝達システムを改善してください。たらい回しはやめてください。

役所の窓口を派遣職員で固める前に、強固なセキュリティかつslackのようなスムーズな引き継ぎのできるツールと行動基準を導入するべきです。非正規雇用に頼る前に、時間の無駄を作っている作業とその本質に向き合い着手して下さい。税金を無駄遣いしないでください。

要請②

性同一性障害の診断書と何点かの使用実績の書類を求められました。 厚生労働省の通達にあるようですが、これは「不要とするべきである」と当事者として考えます。

以下、理由を列挙します。

理由1:当事者は通称名の使用範囲が制限されている状況に置かれているのに、使用実績を求められる。この状況が非常に理不尽だからです。

例えば、通称名で施設利用の予約するも、利用登録を要求される際、その利用登録が本人確認書類と同じ名前でないと利用登録ができないといったことが、あらゆるサービスで存在します。 この状況で、通称名の使用実績を積むことが可能なのでしょうか。やってみてください。公的な証明が通称名での生活を後押しする先駆けとなるのに、現在の公的機関の要求は当事者が置かれる状況を無視した、”不条理で過酷な要求”であると考えます。

理由2:トランスジェンダーがマジョリティに対して、自分がトランスジェンダーであることを証明しなければならないこと自体が差別である。シスジェンダーのひとは自分がシスジェンダーであることを証明しなくても、役所の手続きでこんなに煩わしい目に遭うこともなければ、シスジェンダーであることを証明しなくて済みます。この格差が差別です。

理由3:診断書が必要であるのは理不尽な要求です。 そして診断書にはお金が必要です。 トランスジェンダーは貧困に陥りやすいです。 なぜならどこに行くにも、その職場やコミュニティーにいる人が差別的な考えを持っていないか、常にアンテナを張って生活しなければならず、心理的負担を抱えながら社会生活を送らなければなりません。もし差別発言が飛び交う環境であれば、心理的安全性を脅かされた状態でその場に存在しなければならず、普段の生活苦に加え、甚大な心理的負担を抱えながら通勤しなければなりません。差別発言や差別を浴びながら、社会生活に溶け込んで我慢して生きています。働き続けるのも大変です。LGBTQはそうでない人に比べ精神疾患を抱えやすいというデータもあります。 社会の構造や、それが生む偏見や差別に常にさらされ、精神疾患も抱えているのに、安定的に労働に従事するのは非常に困難です。さらに病院では戸籍名で扱われるという屈辱的な体験を連続的にしなければならない、医師の中には、家父長制的規範に即した差別的な発言をする者も多く存在します。それなのにお金が必要な診断書を持っていないと、自分の名前も性別の変更もできないのは理不尽な要求です。

理由4:海外では、窓口で口頭で説明し、戸籍の性別を変更できます。

補足:LGBT連合会のこちらの資料も読んでください

要請③

窓口にもレインボーフラッグが掲げられていましたが、真にLGBTQフレンドリーな自治体を掲げるのであれば、厚生労働省の通達を実行して満足するのではなく、当事者の生きづらさがまったく改善されていない事実に目を向け、当事者のための市政を“当事者を中心に”議論し続けることを強く要求します。本日のような対応が、当事者に対して続くようであれば、レインボーフラッグは掲げるべきではないです。 この惨状であるのにレインボーフラッグを掲げる事に強い憤りを感じます。

この足立区LGBTガイドラインは大変素晴らしいものだと思います。ここにある調査結果の10%(大きな数字です)の人々を無視・排除しつづけるのを止めるために、急ぎ制度を整えてください。

https://www.city.adachi.tokyo.jp/documents/51649/lgbtguidelines.pdf

要請④

ようやく辿り着いた窓口で、私の”状態”について、”病状”と表現されましたが、以下の記事にあるように、精神障害でも病気でもないため、以後は「状態」という表現を使うことが好ましいです。トランスジェンダーやノンバイナリーの人たちの尊厳を踏みにじらない言葉遣いをする努力を求めます。日本の包括的性教育はかなり遅れており、国際社会から大きな批判を浴びています。人権教育のアップデートは急務です。

本日の対応を受け、強く要請したいことを以下に記します。

【強く要請します】

日本の戸籍にノンバイナリーが追加されることを理想として、その後押しする重要な段階として、男でも女でもなくノンバイナリーとして[すんでる都道府県]に存在できる仕組みを考えてほしいです。

自治体が先駆けになりパートナーシップ宣誓制度が作られたように、非二元的なジェンダーを自認している者たち、ノンバイナリーに対しても、そのように整備が進んでいくことを望みます。

大前提としてパートナーシップ宣誓制度(以下、パートナーシップ制度)だけでは、法的な拘束力がないため、事実上は意味がないです。 しかし、パートナーシップ制度の存在は、間違いなく婚姻の平等の実現に向け、後押しになっています。

パートナーシップ制度が実現し、全国で婚姻の平等裁判が起こり、婚姻の平等に向かっていく判決がなされています。 私は、婚姻の権利が平等にないことは誰がどう見ても紛れもない事実であり、そのことに対して不平等かどうかと問う議論自体が愚問であると考えています。今すぐ婚姻の平等は実現されるべきです。

ノンバイナリーに対しても同様に、今すぐ法整備がなされるべきだと考えます。ノンバイナリーの実存を無視し、排除し続ける、自治体、東京都、政府のあり方は紛れもなく人権侵害です。

性暴力、性犯罪のターゲットになっているのは女性だけではなく性的マイノリティも同様の脅威に晒されています。性犯罪への取り締まり、未然に防ぐ取り締まりの強化と同時に、オールジェンダートイレの設置を急いでください。トランスジェンダーやノンバイナリーにもトイレを使う権利があります。当たり前のことを言わせないでください。地方自治体ができる範囲で、立法や法律の改善の後ろ盾となるような、積極的な整備を強く要求します。

【人権意識のアップデートを強く求めます】

下山さんの対応は丁寧な説明であり、威圧的な態度でもなく、[住んでるまち]に住むものとして非常に信頼感の持てる対応でした。

常に無意識のSOGIハラスメントやマンスプレイニングに遭う身としては、言葉遣いにも細かい配慮がなされていると感じ、安心感を持って手続きにのぞめました。この方に対応していただいてよかったです。

この方を”最低基準”として、役所で働く人がより高い人権意識を持つことを強く求めます。私はたまたま診断書にお金が払える境遇だっただけで(それも現在だけです)、 ミスジェンダリングされたり差別・誹謗中傷に晒されたまま社会生活に困難をもち人知れず死んでいる当事者がたくさんいます。一刻も早く、ノンバイナリーやトランスジェンダーのひとがシスジェンダーと同じように危険を感じずに生活できるように教育や制度を急務として抜本的な改革をしてください。もう生まれた事を後悔しながらシスジェンダーを恨んで生きるのは嫌です。よろしくお願いします。

最後に「この度は大変ご不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ありませんでした。表題の件に際しまして、ご不快なお気持ちにさせる結果となりましたこと、お詫び申しあげます。本件につきましては、担当部署と対応を進めてゆく所存ですので、ご理解いただけますようお願い申し上げます。」のような表面的な文句は不要です。一刻も早く行動で示していただきたいです。どうぞよろしくお願い致します。

@tikky_koe
さべつを だまって みている だけの みんな なんて きらい