別れの季節(お勝手のあん 9)
柴田よしき
己の分を弁える、ということを私自身も時折考える。誰かにとっての自分には求められるロール(役割)があると思うから。
たとえば大切な友が深く思い悩む時。
その言い分をありがちな類似の何かに当てはめてはいないか。また率直に感じるものがあるとして、自分が言うそれは十分な説得力を持つのか。感じ取り、選び伝えることは難しい。
おやすはそこを誤らない。
いつも懸命に考え、時には誰かの言葉を糧にちゃんと辿り着く。見届けて私は深く安堵する。
やすなどにはわからない──
彼女が自分にかけた枷を外し広い場所を見渡す時、どう輝くか。それを楽しみに待っている。
2024/02/21 読了