2024-01-06読了
チップ・キッド 著 / 坪野圭介 訳
B6判変型並製
148ページ
昨今の生成AI(AI)の台頭があり、人間の創作性とは何かを再確認している中で、物事の良さを決める基準(創作における決断の判断)を世のクリエイターはどう取り扱っているのか、これを知るために関連する書籍を読み進めている中の一冊。本のサイズは手にちょうど良く、厚めの紙でページ数も多くなく読みやすい、コーヒーを飲みながらでもサッと読める。表紙のデザインとフォントはパッとしない印象だったが中はデザイン性に溢れ鮮やか。この本での収穫は「明瞭さと不可解さ」の2つの評価指標を知ることができたこと。従来から持ち合わせていた「単純さと複雑さ」の評価軸とは別のモノサシで、これから世の中の物事を測っていくことができる考え方ができるようになったのはとても大きな収穫だ。例えばこの2つの評価軸を直行するように交差し、4つの要素のどの位置にマッピングするか物事を測っていくことができる。これにより自分の中で創作における新たな判断ができるようになる。さっそく次の創作から取り入れようと思う。本書の中で出てくるデザイン例は全て英語の英語圏のモノばかりで、パラパラ眺めているだけでも外国を旅行しているような、非日常的な刺激を受けることもできる。常に本棚に置いてあってたまにめくって眺めるだけでも楽しい一冊。
[内容メモ]扉をめくると黄白赤色の背景色に青色の文字が目に飛び込んでくる。タイトルにあるようにデザインの本であるので本文中も白背景に本文は黒色、タイトルや強調部分は青と赤色で示される。デザインは第一印象であり、見た目主義。その判断をどうやっているのか?著者が数々のデザイン例を挙げてそのヒントをくれる。著者の解説は軽快で、デザイン例の写真の数々とともにサクサクと読み進められる。写真集を読み進めるかのような。冒頭部分では第一印象を左右する2つの要素、明瞭(クリア)と不可解(ミステリアス)について解説がある。そして、2つの要素を測るためにデザイン例と合わせて不可解度メーターがそれぞれに提示される。メーターは1から10(時には10を超える)まで小さい方が明瞭で大きい方が不可解。このシンプルなシンプルな目盛りのモノサシを使って本書では、デザインにおける明瞭と不可解への理解を進めることができる。
出版社サイト:https://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255010090/