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ポケモンスリープ怖い(まんじゅうこわい)

tobusuka
·
公開:2026/8/7

ポケモンスリープという睡眠測定アプリ(ゲーム?)をもう3年くらい続けている。

3年前、新生児の世話でいささかおかしな精神状態になっていた私に、実母が勧めてきたアプリだ。

それから、私は実母の唯一のフレンド(というユーザー同士の生存確認機能のようなものがある)となり、お互いひたすら睡眠を測定し続けている。

いまステータス画面を見てみたら、ログイン日数「1090日」と書いてあった。1090日?365x3=1095なので、やっぱりほぼ3年だ。3年もこのアプリを?

ものごとが続かないたちなので、すごい、とかえらい、とかではなくただ怖い。アプリにあんまり魅力を感じていないことも怖い。

楽しいと思ってやっていないのに、こんなに続けられるとしたら、これまで葬られてきたさまざまな習慣たちはどうなる?彼らはなんだったのか?そしてポケモンスリープは本当に何なのか?

ポケモンスリープは「眠る」ときに使用する。

眠る前にアプリの「眠る」ボタンを押し、寝床の脇にスマートフォンを置いておく。

起きたら「睡眠測定を終了する」と、睡眠時間や寝ている間の寝返りの回数などの記録に応じてポケモンがでてくる。

ポケモンは捕まえることもできる。じつは私は、このアプリで睡眠を測定して改善しようと思ったことが一度もない。私の興味の主眼はつねにポケモンを捕まえることにある。

ポケモンを捕まえると育てて、パーティに編成することができる。

パーティに編成したポケモンは、日中「きのみ」を集めてくれる。

丹精込めて集められたきのみは"カビゴン"というポケモンがすべて食べる。

なぜこいつがきのみを全部食べてしまうんだ。

このゲームの主人公は実はカビゴンである。

さまざまなポケモンを動員し、カビゴンに朝貢よろしくきのみを食べさせる。人間は朝昼晩にカビゴンに食事を与える。さらに、いそいそと睡眠時にボタンを押し、カビゴンと共に眠る。

「カビゴンにひたすら食べさせて、眠らせる」つまり「お世話をし続ける」ゲームなのである。

なぜそんなことを?

答え、必要だから。


この10年間ほど、何かの世話をしていない時期がなかったように思う。

たとえば水や培養液が必要な生き物の、水を入れ替えたり、培養液を入れ替えたり、新しい水をあげたりする。

動物の糞尿を掃除する。ケージの床材を入れ替える。新しくペレット状の餌を置く。

新生児にミルクを与え、げっぷをさせ、眠った新生児を起こさないように置く。

世話というものは、作業自体はべつに楽しくない。ただひたすら、必要だからやる。世話が必要な者たちは自分で必要なことを行うことができない/難しい状態にある。だから私がその者たちに成り代わる。

感謝されたことはないが、とくに感謝をされるいわれもない。

私がやっているのは、1+ =2という数式の欠けた部分を埋める作業だ。欠けたものは埋められなければ成立しない。欠けたものを埋めるのは誰でもいいし、誰が埋めても同じ。しかし、少なくとも埋めなければならない。


ここまで書いてきたが、ふと、「いや、カビゴンは植物や動物や新生児ほどお世話を必要としていないのでは?」と気づいた。

すくなくともポケモンを集め、きのみを集め常時きのみを食べさせ、さらに朝昼晩毎食料理を作り、毎晩しっかり睡眠をとらせるのはやりすぎ。過剰なお世話だ(しかも私が睡眠ボタンを押さないと寝ないのは一体なんなのか)。

新生児だってさすがに常時お世話ではなく、彼の者が空中を見つめて無の表情をしているのを見守るくらいの時間はある。

ここまで使命感に駆られ、1090日間もカビゴンにきのみと睡眠を与えている私は本当に一体何なのか?

もしかして、お世話を"させられている"……?

ポケモンスリープ怖い!!

@tobusuka
あまりなんのためにもならない文章を書きます bsky.app/profile/tobusuka.bsky.social