5日ほど前に、25年ぶりぐらいにドラムスティックを買った。
若い頃友人と組んだバンドでドラマーやってたと言っても、まともに基礎を学んだわけでもなく自己流で叩いてただけで、今思えば勿体無いことをしたのかもしれない。そうは言っても、若かったあの頃は地道な基礎練の先に見える景色を想像することなどできなかった。教則本はつまらないし、好きなバンドの曲を叩いてみたら叩けたのだから、それでよかったのだ。
さて、幸い現代では動画サイトで検索すれば基礎練の動画というものがサラーっと大量に出てくる。まるでプロのドラマーに弟子入りしたかのように(画面越しとはいえ)一緒に叩いて練習できるのだから、教則本とは比べ物にならないくらいテンションも上がる。というわけで、数ある動画の中から試しに初心者のためのストローク練習8分間というのをやってみることにした。ストローク練習なんてまともにやったことなんか一度もない。だからこそきっと自分には必要なものに違いない。そう思って動画を再生した8分後、左手が軽く死んだ。なるほどコレはすごい。俺はドラムの何も分かっちゃいなかった。こんなの身につけたら見える景色は全然違うだろう。しかもコレ、初心者の基礎。いやまあ25年もブランクあったら当時どんだけできてたとしてもキツイんだろうなとは思うけども。
そんな感じでとても新鮮で清々しい気分である。初めてバンドというものをやった高校時代の、あの自由で無敵だった日々が蘇る。これが俺だ、これこそが俺のアイデンティティなのだと信じていたあの日。そしていつしか大人になってそれを忘れ、今またスティックを握ることでそれを思い出す。これが俺だ。大丈夫。なーんも遅いことなんてない。
まあこんなふうにハシカにかかった勢いで文章を書くと、三日坊主で終わった時にすごく恥ずかしい思いをすることになる。そういうとこまで含めて、あーアオハルだなー、なんて思うのであった。いやそれもまた恥ずかしいことなんだが。
まあそれはそれとして、いずれストロークがいい感じになってきたらどっかスタジオ入ってドラムセットで個人練というか遊んでみようかなーとは思っている。なんつんだろ、今までも何回かアオハル再びみたいなハシカにかかって楽器とか機材をウワーっと何万円も買い込んでそれで満足して終わる、っていうのをやってきてるので、今回は慎重になっている。そういう点では自分を信用してないというか。というわけで今回は今のところスティックと練習用パッド合わせて約3千円ほど購入しただけにとどまっている。まあどれだけ熱に浮かされたとしても、うちにはドラムセットを置くスペースは無いからその点は安心していいだろう。たぶん。