ニンテンドー64よりもプレイステーションを選んで、初めての音楽プレイヤーもウォークマンを選び、初めてのノートパソコンもVAIO、テレビもブラビア、ガラケーはソニーエリクソン一筋で、スマホもXperiaを使っていたこともあるソニー信者の自覚があるけれども、あの、最近の教祖の体たらくは何なんすかね?
偶像崇拝したくても、崇拝したくなる偶像が無いんだよ。
「どんな判断だ」by 稲船 敬二 って突っ込みたくなるような経営判断ばかりしてませんかね、最近のソニーさん。
ソニー全体から見てば、利益自体は出ているけどさ、ガジェットで利益あげてるわけじゃないっぽい。主にゲーム、アニメや映画といったコンテンツ事業だ。一応、カメラが好調でニコンとキヤノンの二大勢力に対して、イメージセンサー片手に殴り込みをかけて成功してはいるけれども、個人的には未だにソニーにはカメラのイメージはあんまり無い。そして、ガジェットで儲けているというわけではなくなったようだ。
iPhoneにもソニー製のイメージセンサーが搭載されて、それで利益をぶち上げているとのことだが、下請け企業じゃないソニーが名前の出ないとこでがんばってもブランド戦略としてはちょっと疑問。
Xperiaは……なんなんですかね。独りよがりな画面仕様と不具合連発の果てに、世界シェアはケツから数えた方が早いという体たらくだ。かつてはXperiaを選んでおけば間違いはないという安心感があったものの、ここ4,5年でその感覚は薄れるどころがXperiaは不具合が多い、壊れやすい、ソフトウェアのアップデートも遅い、かつてのブランド力もない、などと今では不信感だらけ。
そういや初めてのスマートウォッチもwena3だったけれど、これも不具合まみれだった。接続がしょっちゅう切れるし、FelicaはiPhoneからじゃないと連携できない、おまけに通知が来ない不具合を残したままアップデート終了という有様だ。今ではただの光るアクセサリーか万歩計でしかない。腕時計のバンドの方にスマートウォッチとしての機能を持たせるというアイデアは唯一無二で買った当時は「っぱ、世界のソニーってわけ!」ってはしゃいでいたのに、今は5000円ちょっとのGalaxy Fitを嵌めてる。
ソニーがVAIOを切り離したことについては驚いた。当時は仕事の都合でMacがメインマシンにだったのだけれども、「いやだって、ソニーなんだぞ?」ってブランドとしてのイメージにヒビが入ったのもここからだと思う。
その割には縁切りして赤の他人になったはずのVAIOを自分とこのストアに売ってるのね。どんな顔して売ってるのやら。
一方、切り離されたVAIOといえば、法人向けに力を入れてソニー時代のやらかしをどうにか取り戻し始めている。そうなると、一体当時のソニーは何やってたの? とう疑問が出てくるわけで。
VAIOそのものは良いものなので、次にWindowsのノートブックが必要になった時には選択肢には入れるつもり。
あと今となっては懐かしいPS VITA。これとは別にPSP GOというゲーム端末もあったね。当時はディスクドライブの無いゲーム機と揶揄されていたけれど、スロットのないダウンロードオンリーのゲーム機というのは今にしてみれば非常に合理的で、今にしてみればSteamDeckという代物が売れ始めたのだから、当時のソニーの思想は先見性があって間違ってなかった。足りていなかったのはゲームをオンラインで売るというインフラの整備だけ。
結局DSとスマホにやられた感じでPS VITAの生産中止というだけでなく、ポータブルゲーム機自体からの撤退してしまった。
これはVITAのみならず、3DSやPS3にも当てはまるけれど生産中止となるとサポートもなくなり、購入したゲームソフトでもいずれ遊べなくなる。購入したゲームソフトは返金などされるわけもない。VAIOの切り離しもあって、この頃からソニーはいいものを作って将来性を見越して継続するような粘り強さもなく、不採算事業を簡単に手放し、撤退するという不信感が生まれた。
こんな具合でガジェットブランドから片足抜けちゃっている有り様で、今ではコンテンツに金出している方が調子が良いようで。「ソフトパワーを重視します!」とか抜かして鬼滅とFateに大枚をベッドして実際にそこで利益出せたまではよかったものの、次に手を組んだのがさあ……
パルワールドってなんだよ。
パルワールドというゲームの趣味の悪さとか品の無さみたいなものは別の話だとして、静電気厳禁なくらいこんな可燃性の高くなってる代物に安易にほいほい手を出した経営陣の判断どうなってんの?ってシンプルに疑問に思ってる。
ポケモンが世に出た後、その後追いが雨後の筍のようにうじゃうじゃ湧いてきたけれど、漏れなく歴史の露と消えていった。なんとか頭角を現したメダロットも今ではかつてのファンのおじさん向けに細く延命を図ってるフェイズだし、一時はポケモンの寝首をかけるまでになった妖怪ウォッチも最近はスマホでぷにぷにしてるだけで新しい展開も見てない。そういった歴史を目の当たりにしていれば、生半可な覚悟では手出し無用だとわかるようなものなんだけれども、そこで手を組んだのがパルワールドってあたりで、企画者や経営陣の無知蒙昧さとか愚昧さみたいなものを隠しきれていない。というか自覚も無いんじゃね。
それに、手を出したのがSIEじゃなくてソニーミュージックとアニプレックスなので、本気の本気でゲーム単体としてじゃなくて、本気でポケモンの二番煎じを狙っていた目論見が丸見えで、ただただダサい。
で、やっぱり任天堂に「お三方、ウチのシマでなにしてはるん」と裁判沙汰になるというオチもついちゃった。
一方SIEも「コンコード」で派手にコケたけど、そのコケ方もだいぶ予後が悪いように思える。というのもVALORANTやオーバーウォッチといった既にフリープレイで隆盛しているバトロワFPSが隆盛してる中で、フルプライスでリリースという殿様商売ぶりを発揮。日本は侍の国だからね。まあそんな士族の商法が令和に通じるはずもないわけで。SIEの営業は何考えとったんだ。何も考えてなかったんだろうね。
そして売り方にも問題があれば、肝心かなめの中身にも問題があるという始末。とにかくキャラがダサい。個人的にはオーバーウォッチのような洋ゲーのアメコミっぽいバタ臭さは「一口食べてみたけど、もう結構です……」って感想なのだけれども、コンコードのキャラを見たら「いやオーバーウォッチのキャラって全然クールな方だったな」と思い知らされるほどダサい。多様性云々とか批判されていたけれども、いやこれは多様性云々以前のダサさでは。
こんな売り方もダメダメだったら、中身もダメダメな有様で、これでOK出したSIEもデベロッパもこの座組で大丈夫なんか?ってなってる。
一応、日本海と東シナ海を挟んでやってきた「ステラブレイド」と「黒神話」はハネた。でもこっちは別ジャンルだし、他所で開発されたものを卸してるだけだ。こっちもこっちでゲーム買わないくせに口だけはご立派なポリコレっていう地上げ屋みたいな連中に絡まれたようで難儀してたみたいだけど、これに対してちゃんとSIEがケツ持ちしてやっていたのかは疑問。
あとデモンズソウルのリメイクも微妙だったわ。
今のソニーはパソコンもタブレットもスマートウォッチも捨て、頼みのXperiaの存在感は薄れている。2000年以降生まれの人間とか多分ウォークマンとか知っていても「社会科の教科書で見たことはある」とか言われかねない。今、身近にあるソニーのモノって言ったら、多分プレイステーションくらいしか思いつかない人が多いんじゃないかな。
で、今のソニーの屋台骨になっているPS5も高額転売放置した挙げ句スタートダッシュに派手に失敗して、安定供給できるようになった矢先に今度はPS5 proというアップグレード版をお出ししてきた。「PS5を買うまでの苦労と手間はいったい何だったん?」と首を捻ってる。捻りすぎて首がちぎれ落ちそう。せめて、今持ってるPS5を下取りにすれば、確実にPS5 proを割安で変えるとか、そういうユーザーのことを考えた商売をして欲しい。
今ではPCという汎用的なマシンでゲーム専用機と遜色無いどころか、より快適にプレイできるという価値観が広まって、PS5のゲーム専用機としての付加価値といえば専用機としての安定動作とセキュリティの担保の他に、「ファイナルファンタジーが一足先にプレイできた」くらいだ。他にもPS5だけでプレイできたソフトもあったけれども、どれも時間が経過してからsteamでもリリースされている。
それと前述したけれど、VITAやPS3を切り離したおかげでダウンロードしたソフト資産のアクセシビリティも劣悪になって、そりゃみんなハードに縛られないSteamに流れていくわなと思う。
それにしてもPS5 pro、こいつの存在はどうにも悩ましい。同程度のスペックでPCと比較すれば割安感があるけれども、PCとゲーム専用機じゃ価格感も違う。そもそもゲーム専用機で12万ってなんだよ。いやでもやっぱりPCに比べれば全然安い、いやでも10万オーバーのゲーム機って……ってなってる。
あとDualSenseも高くなりすぎだろ。通常コントローラーで1万オーバーって。
というわけでソニーはもう「こだわりのガジェットブランド」から「なんか手広くやってるコンテンツパブリッシャー」か「プレステのとこ」になっちゃったものだから、信者としても偶像崇拝したくても崇拝する偶像が無いという有様。カメラかウォークマンくらいか?
「うまくいかなかったら、どうせまた切り離すんでしょ」という不安感もある。PS VITAもVAIOもタブレットもwena3も先見性を粘り強く大事にせずに、目の前の小銭を拾えないというだけであっさり見限っている。
ブランドイメージが定価するような不具合の連発と不義理な商売のやり口、需要を把握できていない企画力の無さで、「もしかして日本人経営者、ガジェット作れなくなったんか?」って疑問が湧いてくる。バルミューダフォンの時も思ったけれど、日本人経営者ってほんとにガジェットに何が求められているかわからなくなってきているようで失望させられた。このあたりはSamsungもだいぶ怪しいけれど、あちらはまだ必死でもがいているので期待は持てている。
とりあえずデモンズソウルとブラッドボーンの版権をさっさとフロムさんに渡してもろて。ロハで。持っていてもしょうがないでしょ。
そんなこんなでソニー好きでソニー製品を最優先して選んでいたのが、今では単なる選択肢の一つになってしまいました。次のスマホはXperia 1 Ⅵで考えてるけど、値段も考慮してAQUOS R9 proが出たらそっちに乗り換えると思う。