ゼロ年代のあの頃のゲーム系ファンサイトと「しずかなインターネット」と。

桃李
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21世紀初のガンダムが発表されて、ゲームセンターではギルティギアイグゼクスとかが稼働開始して、家庭用ゲームといえばPS2だった頃。

あの頃のwebサイトと言えば、HTMLとCSSの手打ちかテンプレートを借りて、ジオシティーズや忍者ツールズでサーバーを借りて、CGIのBBSやチャットや日記のレンタルサービスを利用したり、更新はFFFTPだった。

当時の自分はとあるゲームのファンサイトに入り浸っていた。多分、アーマードコアだったと思う。デザインも「静かなインターネット」みたいに白基調のシンプルで飾らない、だけどなんかお洒落だったと覚えている。

その管理人は大学生で公務員試験のために勉強していたというお兄さんだった。当時の自分からすれば随分と大人に見えていた。

そのお兄さんの日記がとても面白かったこと覚えてる。素朴な日々を軽快な語り口で書き記していて、BBSでもウケがよかったようで「日記 Remix」なんてページも追加されていた。なんで日記にRemiexなんてあるんだよ。

当時はバズるなんて概念もシェアとか「いいね」なんてものもなかったし、反響もそのサイトのBBSの中くらいだったのだから、承認欲求なんてものも大したものではなくて、漫然に書き連ねていたのかもしれない。

でもその漫然さが面白さのひとつだったと、今になって思う。

当時はテキストサイトなんてものがあって、今でいうアルファツイッタラー的な存在がいたのだけれども、そういったネタ要素でウケていたわけでもなし。

話はズレるけど、その往年のテキストサイトの管理人も、今となってはSNS中心のいいねをかき集めるだけになり果てたインターネットから姿を消して解脱しているのも面白い。インターネットのメインストリームから外れても昔と同じことを淡々と続けていたり、あるいは子育てという人生のフェイズがシフトしていったりとか、そんな具合だ。

で、そこのサイトの管理人のお兄さんは、幸いなことに「2chはお行儀が悪い」というスタンスの人だったので、今になって思えばこのお兄さんの影響は自分の中でよかったと思ってる。

この頃のことをふと思い出す程度に、今のインターネットに疲弊してるんだと思う。先月はセクシー田中さんの話で、今月は車椅子の話といった具合です。インターネットで掲げる正義は"鮮度"ってやつがあるからね。

もしかしたら「静かなインターネット」がインターネット余生になりかねないなー。それはそれで別にいいかと思ってる自分もいる。あの時のお兄さんの日記のような具合で。

@tohri
地球最後の情シス、ひとり情シス