おまえたち人間には信じられないようなものを私は見てきた。オリオン座の近くで燃える宇宙戦艦。タンホイザー・ゲートの近くで暗闇に瞬くCビーム、小春日和にディズニーでキメるファッションを「お嬢様ずんだもんみたくなっちゃった」とおどけてみせた中学生にネットリンチするおばさん、これはマジで信じられないだろ。そんな思い出も時間と共にやがて消える。雨の中の涙のように。いやほんと消えてくれ。死ぬ時が来た。ほんとに。
自分の母親がネット上で「正しさ」のもとに、自分と同年代の人間に嚙みついていたり、ポスターのイラストやフィギュアにいちいち噛みついていることが発覚したら、絶対にグレる自信がある。多分、母親が浮気してたと同じくらいのショック具合だと思う。自分が多感な中高の頃にSNSなんか存在していなくて本当によかった。
子育てや家庭で失点を続けたようなおばさんがその失点を取り戻すように、ポスターのイラストやフィギュアや中学生の服装やらにいちいち「ただしさ」で噛み付いてネットリンチするの、シンプルに狂気の産物としか言いようがないでしょ。自分と他人とか現実と空想とかの境界線の区切りがつけられていなくて、なんらかの認識能力がよろしくないことになってるとしか思えない。インターネットはお前のママじゃないんだ。というか子育ての失点を別の何かで取り戻せると考えている時点でもう認知に歪みがあるだろ。
全くもって接点のない中学生のアカウントや、絶対にフォローしてなさそうなファミ通のアカウントをガジってる時点で、四六時中、それこそウンコしてる間もスマホで「自分が怒れるネタ」探しに必死だってことだろうし、インプレゾンビよりもゾンビじみてる。ウンコしてる最中の手でスマホで、自分の怒りをリツイートしたりシェアして拡散するとか、ウンコまみれのスマホでウンコより薄汚い真似するのはやめろ。
そもそも「怒れるネタ」の拡散してるアカウントって大概が浅ましい青バッジ持ちなので、そいつのお気持ち引用RTを拡散してる時点で、インプレ養分にされてると気づいてない点でも底が知れるというか、短慮とか浅ましさが目立つというか。
もはやネット上とはいえ、見ず知らずの他人様にいきなり喧嘩吹っ掛けるような反社よりもタチの悪いことを家族がやっている時点で、もう身内の恥なんよ。他人はお前のパパじゃない。これが極まってきたら海沿いの街路樹のヤシの木とか、神奈川県のシンボルマークにも「これは男根のメタファー!」とか一生キレ散らかしてる未来が見える。蒼穹のファフナーかよ。いや神奈川県のシンボルマークに関しては自分も神奈川県庁の前を歩いた時は「ん、んん?」ってなったけどさ。
そういえばだけど先日、会社に向かっている最中、だいぶ挙動がバグってるおばさんを見かけた。
駅からオフィスビルに向かう道すがらに、甲高い大声で電話に怒鳴り散らかしていて、「やってらんないよ!!」とか「信じられない!!なんでこんなことになってるの!!」とか「なんであたしが悪いの!!」、その他労働前の朝から耳にするには気が滅入るようなFワードをぎゃんぎゃん喚いていた。ここは都内のタワマン立ち並ぶ洒脱なオフィス街だぞ。通学路も兼ねてたので道行く小学生のキッズたちもビビり散らかしてた。多分、"大人のみっともない姿"を見るのは初めてって具合のビビりぶりだったよ。ごめんよ子供たち、薄汚い大人ばかりで。どうか君たちの清い心で、この世の中をもうちょっとマシにしておくれ。
そんな朝のオフィス街に似つかわしくない、金曜夜の横浜駅西口で聞こえてくるようなおばさんの奇声が響く中、当のおばさんは地団駄踏みながらぶりぶりイラついたようなみっともない歩き方で、ずんずん歩いていく。道の先々で近くの人にぎょっとした感じで見られていたよ。おばさん、渚の視線を独り占めじゃん。奇異の目だけど。
その話し方といい、歩き方といい、「人目も憚らず」といった具合で、それが随分と幼稚に思えたし、他人の目があることも認識してないんだなと。全裸中年男性でさえ他人の目を意識するというのに。
真面目な話、他者の存在を認識できていないってことは、自他の境界線も認識できていないってわけで。よくいるでしょ、自他の距離感ぶっ壊れていて、やらかした果てに被害者意識イキり勃てているこういう手合い、真の悪魔、"ディアブロ"が。こういうのはおばさんに限らないけど。
あんな感じなのかなー、中学生の子供の服装ごときでネットリンチかましてるおばさんって。
特に確証も無いし、ただの偏見でしかないと自覚はしているけどさ、ああいった人間がツイッターの中で、自他との距離感がぶっ壊れたまま気に入らないものにつっかかっては「正しさ」を振りかざして、いい歳こいて中学生相手に寄ってたかるという恥ずかしい真似やらかしてるんじゃないかと思った。
あのおばさんの子供はどんな顔してんだろ。