2024年1月2日

とこわか
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電気を消して横になると、なんだかまだ揺れているような気がする。今日はどうせ眠れない。祖母がトイレに起きたので先に起きあがって、廊下からトイレまで電気をつけたりする。祖母は2回トイレに起き、母もその度に起きていた。うとうとして起きるのを何回か繰り返す。空が白んでくるとほっとした。

朝はお雑煮。餅いくつ食べる?と聞きながら台所で動き始めると少し気が晴れてきた。雑煮のこ(新潟の方言で雑煮の具と汁のこと)は昨夜、祖母が「これも持っていこう」というのでアパートから鍋ごと抱えてきたもの。人参、大根、糸こんにゃく、油揚げ、里芋のほかにも、細かく切ったさつま揚げや松前漬けで使う切り昆布も入っていてうまみが出ていておいしい。母の兄たちは子どもの頃、餅を一度に6個は食べていたと祖母が言う。何度も聞いた話にわたしも母もうんうんと頷く。

朝ごはんのあと、仲間うちのdiscordをひらく。たくさんのスタンプとやさしい言葉で胸のあたりがじんわりとする。わたしは東京に戻ろうと思えばすぐ戻れるけれど、中越沖地震を思い出してこわいと言う母のそばにいてやりたいし、できるだけやれることはやってから戻ることに決めた。

まず、弟の部屋の扉を塞ぐように倒れた棚の中身を取り出して居間に並べた。「いる、いらない分けて」と母に言う。祖母がいる間は母も少しだけいい子モードなので無下に断らないだろうと踏んでけしかける。案の定、気が進まない様子ながらも確認しだす母。市が出している暮らしのガイドブック、主婦向けの料理雑誌、封筒に入った絵。上皇様と美智子様の新聞の切り抜き。横で仕分けをぼんやり眺めながら、そういえば祖母の家の物置にも皇室アルバムみたいな冊子があったなと思い出す。

作業しだした母を見て、祖母はアパートに帰りたいと言い出す。ここにいると上げ膳据え膳だし、帰って家のことがしたい、とのこと。まだ心配だからもう一日泊まってよと言っても聞かないので、弟の車で祖母をアパートへ送ることに。めったに引っかからない踏切が今日は全然開かず、迂回する。きっと線路の点検をしているんだろう。

家具の転倒防止の器具を見繕ってまたくるね、と言いおいて祖母の家をあとにする。ダイソーに行って耐震ジェルを数枚買う。弟は車で待つというので急ぎ足で買い物。弟はすぐに気分が変わるから機嫌を損ねないように。なんでこっちが合せなきゃいけないんだろう。今度はホームセンターで家具と天井の間にとりつける突っ張り棒を探す。祖母のアパートで測ってきた寸法に合うものがなくてこちらは断念。ちょっと高い耐震ジェルだけ買い足す。ペットコーナーの犬と猫はみんな寝ていた。市の放送で水道水が一部の地域で濁っていると言っていたから、スーパーで2リットルのペットボトルを2本購入して祖母の家に戻る。

テレビの下に耐震ジェルを置こうと動かしたら、テレビはすでにネジで家具に固定されていた。テレビの脚の部分に耐震ジェルをかませて、ネジをもう一回締めたけど、ちょっと穴を広げてしまって余計なことをした気がする…。弟と祖母とこたつで緑茶を飲んで、ちょっとおしゃべりしてから帰宅。

帰ったらまだ箱根駅伝をやっていた。ニュースはこわくて見れなかった。