だいがくさんねんせいなので毎日が始まるたびに、
「いよいよ就活シーズンですよ!
むっちゃドキドキしてきた…。
就活生の皆さん、今日くらいは休んで明日に備えますよね?」
と思ってオヤスミングしている。すると脳内の2ちゃんねらーが、
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とAAをレスしてくるが、僕は変わらずぐっすり寝ている。しかし現実問題、どうしよう。人に勝てる才能なんて乳首の感度しかないのに。
彼女がいるのだけれど、その妹さんの話を彼女にした。彼女の妹とは二度しか会っていないし、一対一で話したのは前の一度きり、20分そこらだ。その中で彼女(妹さん)に対して抱いた印象を彼女(恋人)に話してみると、「そうかも……」と納得された。それが昨日の話だ。
今日、彼女がそれを妹さんに話したらしい。というか「話すから昨日なんて言ってたか送ってほしい!」と言われたので、LINEに書いた(なんとそれは読み上げられたらしい。どれだけ僕を信用しているんだ?)。
するとどうやら、「完全に図星」とのことだった。具体的には周りの空気に価値を感じず一歩引いたメタ視点で物事を捉えてしまうが、そんな打算に空虚さを感じているところもあるんじゃないか、みたいなことを言った。あらためて文字に起こすと、占いみたいなものだな。バーナム効果か。今後のアドバイスも混ぜて色々伝えた。
妹さんは「どこから分析したんだ……」と驚いていたらしい。僕は僕で、彼女が妹さんに直接僕の言葉を伝えることになるとは思わなかったので、驚いている。でも純粋に応援しているので、力になれたならそれはよかったのだけれど。
今後会うとき、妹さんは「この人には私の内心の思慮を把握されている……」と、感謝や警戒心の入り交じった感情を抱くはずである。この場合、その話題が出たときに何と返すのが、一番かっこいいのか。
考えるに、「戯言だけどね」と濁す。これが一番かっこいい。
三年前に戯言シリーズを読んで戯言遣いに憧れた僕も、いまや周囲の人間に自我をひけらかして生きている。援助ばかりをされている。いまの僕はどちらかと言うと、自分の物語を終えて明るくなったという点では、ネコソギラジカルのエピローグで描かれたいーちゃんの姿に近い。が、近いだけだ。なかなかいま一歩そこに辿り着けていなかったのが、今である。
自分をよく知る人としか話さず、また、自分から他人に干渉することも控えてきた。人は一人で勝手に助かるだけだという他作品の論理を援用し、他人に対してずっとラインを引いてきた。しかし、いま、そんな僕に、いよいよ戯言遣いになれるチャンスが巡ってきている。ここを逃したら二度とはない。
よって(今回の件からお前が得るべき教訓は)、僕は妹さんと再会した際に「戯言だけどね」と言うべきである(ということだ)。
でも大丈夫なんだろうか。色々濁してしまったけれどこの文章の核は、「意図せず人生の先輩ヅラしてしまったことに危うさを感じている」という話だ。まさかママで読み上げられるとは思っておらず、僕が言っていたこととは伝えずにマイルドにして伝えられるものと思っていたから、びっくりしている。しっくりきてはいないのに(言葉遊びレベル1)。
僕が戯言遣いになってもいいのだろうか、いくらこれを逃してはチャンスが二度とないとはいえ。僕は紫木一姫みたいな弟子を取れる人間ではない。まだまだガキな僕に必要なのは、弟子というより梯子である(言葉遊びレベル2)(これは、『不気味で素朴な囲われた世界』のネタ)。
申し訳ない気持ちがある。ごめんね、きみが一瞬でも尊敬しかけたかもしれない男は、就活を目前にして自分の血首の感度について考えているおにーさんなんだ。もとい、今月のクレカの請求が3万2000円なのに、今手持ちのお金が7000円しかなくて困っているおにーさんなんだよ。まあ、これも戯言だけどね。感想ください6。