福岡の.NETイベント「Fukuoka.NET Conf 2023」での登壇の感想

tomohisa
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はじめに

最近は.NETを使用して、C#でプログラムをよく書いています。また、オープンソースでプロダクトを開発していることもあり、コミュニティ活動を行っていこうと思い、昨年くらいから積極的にXでC#の情報を発信したり、勉強会で登壇を始めています。

開発しているオープンソースのイベントソーシング・CQRSフレームワークはこちら

登壇の1つとして、2024年2月3日に行われた、Fukuoka.NET Conf 2023に参加して見ました。

参加した理由はいくつかあるのですが、

  • 英語で行われた dotnetconf (2023年11月)がC#の技術者として面白いものが多かった

  • dotnetconfはローカルイベントを行うのを推奨していて、日本での開催として、地元の福岡の開催だった

  • ちょうど参加しているC# JapanのDiscordで登壇者募集をオーガナイザーのまつむらさんが行っていた

直接知っている方があまりいないところでの登壇はちょっと心配でしたが、オープンソースの宣伝になったらいいなと思いながら申し込んでみました。

準備

今回の発表の1週間前に、.NETラボの2024年1月イベントもあり、そちらにも申し込んでいました。

こちらでも登壇をしたのですが、話の内容とデモの内容がいつもプレゼンをしている自社のオープンソースに関しての内容でしたので、社内でもよく話している内容で、比較的スムーズに準備もすすみ、プレゼンも比較的スムーズでした。

.NET Confの話に関しては、僕と社内のエンジニアたちで.NET Confの11月のイベント後に興味深くてなかなか話が盛り上がっていたので、話すことは色々あると思っていたのですが、実際話をしようと思うと、色々話すための前提条件など調べないといけないなと感じて、結構計画が進みませんでした。

話そうと思って登録していたタイトルは「VSAに関して深掘りしてみる」というタイトルです。

ちょうど.NET Confの登壇のまとめ記事を事前に同僚が書いてくれていたzennの記事があったので、セッションのまとめに関しては、スムーズに行うことができました。

なのですが、「深掘り」部分に関してはどんなことを話したら興味を引くのだろうか、また知識のある人も、駆け出しの人たちも含めてどんな話にしたら面白いのだろうかいろいろ考えてしまいました。

そこでまずVertical Slice Architectureのサンプルを一通り羅列して各サンプルのまとめ記事を書いて見ました。

けっこう面白い記事にはなったのですが、各機能項目に関する部分をChatGPTを使い、楽に書いてしまったため、同僚に読んでもらったらちょっと冗長で機械的なところがあると、もっともな指摘を受けました。

それでまず、ブログをちゃんと自分で読み直して納得できる部分だけ残して内容を読み直していくにあたって、ポイントのようなものが見えてきました。

加えて趣味で参加しているBook Club(1つの本の特定の部分を読んで背景の違う技術者で語り合う輪読会)があります。こちらはLondon Tech Talk というポッドキャストが主催してくださっているものです。

日本、イギリス、スイス、アメリカに散らばる日本人の技術者たちが日本語で語り合うというものなのですが、ここで今取り上げている本が以下のものです。

この本では書く技術のトレードオフに加えて、ミステイク(誤り)に関しても取り上げられていて、明らかな間違いはさけつつ、銀の弾丸はないため色々な技術の善し悪しを理解した上で選択していきましょうということが取り上げられています。

話がそれましたが、登壇のために色々考えていたところ、この本の内容のような形で進めていけばいいというアイデアが浮かびました。

英語のYoutubeを見直したところ、ちょうど登壇者も、最終的にこの技術を採用するべきかを聞かれて、

"It Depends..." (場合による)

"It's just another tool in your toolbox"(あなたのツールボックスに入れるもう一つのツールにすぎません)

と言っており、今回の話のポイントにするのにちょうどいいということがまとまりました。

話がまとまったら早いもので、レイアウトをプレゼンに落とし込み、ChatGPT+DallEでポイントの画像を生成しました。生成した画像は以下のものです。

この画像に合わせて、最後に銀の弾丸は存在しないが、金のスパナーを見つけて使用することはできるという決め台詞を言うことができました。

こちらの画像はツールボックスに新しいツールを追加すると言うポイントのために作成しました。

これであとは練習して、時間を合わせて準備を完了しました。

できたスライドはこちら。

会場及びイベントの雰囲気

若い方々から経験あるエンジニアまで多く集まっておられて、バラエティーに富んでいるメンバー構成という感じでした。

主催のまつむらさんも書いてくださっていますが、学生からマイクロソフトの方、国内からも遠くから来られている方もおられて、和やかな雰囲気でした。

個人的にオンラインから参加しても良かった点としては、皆さんの反応がかなり多かったことです。まつむらさんがTogetterにまとめてくださっていますが、4時間くらいのイベントでしたが、ハッシュタグ #fukuten #dotnetconfには300件近くのツイートがあり、盛り上がっていました。現地に十数名、Teamsに30人くらいのメンバーでしたが、とても活発で暖かいコミュニティだと感じました。

登壇に関して

僕の登壇でも、福岡出身なので、出身の高専名を出したり、MLB好きの主催者向けにエンゼルスタジアムとドジャースタジアムの距離から自宅の位置を説明したりして見ました。

その前の登壇でもすでにいろいろ反応が良かったのであまり心配していませんでしたが、登壇が終わって見てみると多くの反応があったためとても嬉しかったです。とくに、スクショOKと書いて作ったスライドでしたが、実際にスクショしてポストしてくださった方がおおく、励みとなりました。

たくさんあった中、いくつか貼りますが、こんな感じ。

他の登壇に関して

他の登壇もとても興味深いものでした。

  • マイクロソフトの井上さんのセッションは.NETの技術を全般的に扱いつつも、関心の高いところで実際にデモで見せていただきつつ、まだうまくできていないCopilotの部分なども見せていただき、よかったです

  • 花岡さんのセッションは僕も扱ったアーキテクチャ、特にクリーンアーキテクチャの話でしたが、アーキテクチャ論の基本がわかりやすく説明されていたため、勉強になりましたし、僕の話と繋がる部分も多かったので僕の方でスムーズに進めることができました。

  • 木須さんはまだ大学生なのにすごく落ち着いて話されて、しかもすでに多くの実用的なアプリを作っておられて、技術が好きなんだなというところがとても伝わってきました。すでにすごいですが将来さらにすごいプログラマになるだろうなと思いました。

  • 松村さんの話は、アメリカ旅行の話で興味深く入りつつ、一晩で作った翻訳トランスクリプトアプリがとても実用的で、すごく参考になりました。

  • くさばさんの話は、登壇当日にリリースされた機能の紹介のためにプレゼンをがっつり追加して望んでくださって、Fluent UI Blazorをつかってみたくなりました。

  • 吉川さんの話は、インフラ担当でエンジニアロールではなくてもエンジニアのコードを読んで解決してあげつつ、さらにC#をマスターするという所信表明まで含み、興味深かったです。

全体的に参加してとても有意義なイベントでした。皆様ありがとうございました!

イベントページから皆様のスライドなども見れると思いますので合わせてご覧ください。