溺れるほどに、人生は遠い

tomomi
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人生は、思ったよりも遠い。自分が空っぽにみえるくらいには、遠い。だからこそ、目の前の濁流に溺れたくなるのだ。自分で自分を見失わないと、やっていられない程のに、遠く、広く、果てしなくみえるのだ。輪郭も見えない未来に、いても立ってもいられないのだ。ただ濁流に、のみこまれることを選択するのだ。

人生は遠い。それでも前に進んで行かねばならないから、怖いのだ。そのことを思うと、夜も安らかに眠れないのだ。自分が小さく、とても惨めに思えるから、怖いのだ。濁流に身を投じる方が、まだ耐えられるのだ。自分が生きていると実感できるから、耐えられるのだ。痛みと苦しみ、果てしなく押し寄せてくる濁流に、溺れるだけ溺れている方が、人生よりも楽なのだ。

寂しさよりも苦しみを選び、虚しさよりも痛みを選ぶ。

人生は遠い。だからこそ、目の前の濁流が、これほどまでに愛おしいのだ。

@tomomi
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