11月19日(日) 休み
息子と2人の休み。息子はおもちゃ遊びに熱中しているので、その隣で読書をする。今日は『ネガティヴケイパビリティで生きる』。ネガティヴケイパビリティとは、すぐに答えの出ないモヤモヤとした状況や心情に耐えうる力と訳される。現代は、何でも短絡的に反応してしまったり、答えっぽいものに飛びついたり、検索ワードに対して一問一答で回答が返ってきたりする。そんな中で、モヤモヤしたまま置いておくって大事じゃね? としたのがネガティヴケイパビリティで、この本はその力をさらに具体的にしていくために、3人の学者が対話を行う本。自分も哲学対話に参加することがあるけれど、学者さんたちの対話はさらにレベルが高いな〜。今のところまでで気になったのは、アンテンションエコノミーかな。注目経済とも訳される部分。注目や共感を集めればSNSを中心に拡散され、そのうちの1%でも購入に繋がればよい、みたいな考え方のアプローチ。これのしんどいところは、注目というのは刹那的なもので、一瞬のゲージの上がりでしかない。たくさんのフォロワーを抱えても、次はそれを維持するのが大変だったり、キャラを変更しにくいなど、いろんな弊害があるそうだ。アテンションエコノミーは、それに反応してしまう消費者側も、共感だけを是とする発信側も、両者ともが関係をネガティヴに耐えられていないとする。自分も注目されたいけれど、注目が怖いのはこの点で、他者からの多くの視線は、自分を他者によって固定されてしまうことにつながると思ってる。個人の場合、多くの人に見られることよりも、こちらが働きかける、くらいの方がよいのではないかと思う。
この本を読んでいるときに足元が寒かったので、息子用の小さな毛布を足にかけると、息子が「ぼくの!」と言ってはぎとってしまった。「ごめん、寒いし貸してくれへん?」と言ったら、「さむいの? いいよ」と言って、再び私の足元に毛布をかけてくれた。ツンデレか。
日中は午前も午後も公園へ出かける。午後の分は、インスタグラムつながりの方が京都にきているとのことで、急遽息子を連れて会うことになった。正味1時間くらいしか一緒にいれなかったが、写真のことや本のこと、互いの生活のことを話した。私は彼のことを「プロ後輩」だと思っている。歳上の人を敬う姿勢が爽やかで、気遣いもある。そんな私は今日は「プロ先輩」となって、珈琲をご馳走する。知っている。珈琲くらいで「プロ先輩」を名乗ってはいけない。