これからの日本を作るのは自分を含めた若者、特に子どもである。
「これからの日本を作る」と言うと大袈裟に聞こえる。突然、社会を変えることは出来ないので狭い範囲から考えよう。「自分と自分の周りの人々の人生を豊かにする」とすると少し分かりやすくなった気がする。
改めて、これからの自分と自分の周りの人々の人生を豊かにするのは、自分を含めた若者、特に子どもである。
ところで「人生の豊かさ」ってなんだろう?
私が考える人生の豊かさは、「様々な体験を通して考えの幅を広げ、困難にぶつかっても成長出来ること」である。前半部分と後半部分に分けて少し詳しく説明する。
様々な体験を通して考えの幅を広げる:その体験は初めてでなくても構わない。初めてであれば、それを体験したという記憶、その時の気持ちなどが、頭の引出しに収納される。2回目以降は以前収納した引出しの中身と比較ができる。ここでは引出しを増やしたり、引出しの中身を増やしたりすることが目的である。引出しが多いと何かしたい時、考えたい時の幅が広がる。 たとえ奥の奥の方に収納されて、普段全く思い出せないようなことでも、何がトリガーになって思い出すか分からない。あるとないでは全然違うから。
困難にぶつかっても成長出来る:人間誰しも人生で一度は壁にぶつかる。自分の頭で考えて、時には人に聞きながら解決に向かって動いたことは、人生において無駄にはならない。結果は、乗り越えられても乗り越えられなくてもどちらでもいい。どんなに小さいことでも、壁にぶつかる前の自分と違うところがあるはず。この壁が何かわかった、話を聞いてくれる人を見つけた、自分の大事にしたいことがわかった、なんでもいい。1つ成長した部分を見つけられると、長い目で見れば大きく成長するだろう。人生の中の壁は1つではないから。
この2つを繰り返し経験することで、その人の人生が豊かになる。周りの人々はその人の影響を受け、自分も豊かになろうとする(はず)。今度は周りの人々の周りの人々が影響を受ける。これが上手くいけば、家庭、学校、地域、会社などを経て、最終的には社会へと影響を及ぼせるのではないかと考えている(未熟な人間の理想でしかないが…)。
技術の発展に伴い、デジタルデバイスに触れる時間が増えた。頭を使わなくても、調べたことに対する答えがすぐに見つかる。そういう時代だからこそ、子ども達には体験を通してしか得られないこと(感想、自分の気持ち、思い出など)を大事にして欲しい。自分は人より体験が少ないため、今とても苦労している。個人的に体験は一番の勉強機会であると思っているため、子ども1人1人に体験の場がたくさん提供されることを望む。
ここまで偉そうに述べてきたが、最近まで自分のことに必死で、「自分が死んだ後の日本なんて知ったこっちゃない」と思っていた。実際、死後の自分にできることはない。しかし、死ぬ前に何かを後世に残すことはできる。それは知識かもしれないし、言葉かもしれないし、思い出かもしれない。
さぁ、自分には何ができるだろうか。死ぬまでに子どものためにしてよかったって言えるものができたらいいなぁ。たとえ狭い範囲にしか変化を及ぼさなかったとしても。