採用活動における「普遍性」と「特殊性」

tooka
·

採用市場においては、誰にでも分かりやすい魅力(たとえば、働き方の柔軟性=フルリモートOK/給与ベースが業界水準で高いと評価され、一定の金額ラインまで出る保証がある/大手であるので心理的な安心感がある ※例えばの話です)があれば、加点要素がなくても、少なくとも減点要素にはなる可能性が低い。

これを、採用市場における魅力の「普遍性」と定義すると、普遍的であることは、マイナスに触れることは考えにくい。なので、やればやるほど効果(大きさは別の話として)は得やすい。言い換えると、「普遍性」については、一般的に価値基準がずれにくく、ここを追求することで方向性を見誤ることは考えにくい。

一方で「特殊性」は、特定の誰かを熱狂させる強烈な要素を持ち合わせる一方で、そこに共感しない誰かに対してはとことん排他的になる可能性がある。

採用市場において、自社の魅力を尖らせたいと思った時に、採用したい人が誰なのかを理解していないと、「特殊性」がマイナス面に振り切れてしまう可能性はある。自社内だけの価値観のフィルタで、「これって社内だとみんな良いと思っているから、一般的にみても魅力だよね」のように、その価値観を採用市場のフィルタをかけずに発露してしまうと、届けたい人に届くどころが、寄せ付けなくなってしまうかもしれない。(しかも気づかない間に)

たとえば、フルリモートでのエンジニア採用をしたいと思っているのに、特定の地域の人にだけ刺さるブランディングに注力していると、その地域の人(仮に100人だとする)にしか届かない。一方でフルリモートで届けたかった人たち(仮にそれ以外の地域の900人だとする)には、その声は届かず、逆に排他的にな印象を感じさせて寄せ付けなくなってしまうかもしれない。これはレバレッジの効かない採用である。

なので、「特殊性」を扱うときは、まずアプローチ先がどこなのかを認識し、どうしてもそこで使うべき「特殊性」なのかを理解して行動する必要がある。(「特殊性」は一歩間違えれば、ある人にとってはマイナス面での効果を生む場合がある)逆に使いこなせれば、「普遍性」では絶対に出せない効果を出すことができる。これなら間違いなくいけるという客観的な視点を持ち合わせた上で使いたい。

アプローチ先がどこなのか定まっていない、理解できていない段階では「普遍性」のアプローチをまずやりきってから「特殊性」へスライドして行っても遅くないと思っている。