エンジニア採用担当の苦しさはどこにあるのか?

tooka
·

この仕事をやっていて、楽しい、やりがいがあると思うことはあれど、楽だと思うことは全くなく、周りの話を聞いても同じような感触がある。

エンジニア採用市場の激化による採用難(結果の出にくさ)が語られることが多いが、根本的な辛さのトリガーはもっと深いところにあるのではないかと思っている。それは「自己成長実感の薄さ」にあるのではないかと最近は思っている。そしてそこを自覚していれば、一定成長しながら自分をコントロールできるのではないかと思い書き留める。

辛さの根本は何か?:「自己成長実感の薄さ」を誘発する成長のトリガーが押しにくい問題

一般的に人の成長がどのように発生するかをまず定義する。

  • ①何かしらの何かしらの結果を生むために、目標を定義する。

  • ②目標に対して自分の行動を起こし、ある結果が生まれる。

  • ③その結果に足して、他者のフィードバック・内省が発生する。

  • ④上記を持って新たなアクション(反省→改善)し、新たな結果が生まれる or ③を再度実行し、新たな結果が生まれいく。

  • ⑤このサイクルを繰り返し、成長が認められれば、異なる挑戦にトライしていく。(別軸でのサイクルが回せるようになってくる)

では、エンジニア採用担当においてはどうか。①〜を実際のアクションに置き換えて考えていく。

  • ①エンジニア組織を拡大するために、年間10名のエンジニアを採用する。

  • ②ダイレクトリクルーティングや、採用エージェントに依頼をする。

  • ③スカウトの返信率は5%で面談すら組めない、採用エージェントは、あなた達の欲しいエンジニアはそもそもあまりいませんという。

  • ④スカウト文面を変えたり、採用エージェントとのコミュニケーションを変えてみるも、劇的な変化は生まれず。

  • ⑤上記を繰り返し、劇的な変化が生まれない中で、一所懸命努力(したつもり)も、微妙に上昇したり、微妙に下降したりを繰り返していく。

例えば、上記のようなフローになるとして、問題は②の自分のアクションに対する、結果の変化量が劇的に少ないこと。(④の改善における変化量も起こしにくいこと)

自分が行動を起こすことによって、生まれた結果からのフィードバック(こういう行動をすれば、こういう結果が返ってくる)の絶対量が少ない(市場要因も相まって、自分の行動起因の変化が読み取りにくい)ことによって、内省して自身で成長を促したり、変化量が少ないので改善や問題解決の糸口を見つけることが非常に困難である。

そうすると、自己成長をしている実感が薄くなり、周りで起きている結果を見ながら「営業部門は、目標に対して120%達成」「ビジネス職は今月3名も内定承諾をとっている」「キャリアはこれでいいんだっけ?」「成長していないのは自分だけでは?」といった負のループに入ってくる。(このループは孤独感を誘発するトリガーになる側面がありそう)

じゃあどうすれば?

自分も納得のいく形を見つけられていないけど、以下のようなことをしていけると良い感覚でいられることが多い。

  • 自分なりの振り返りのポイントを細かく設定しておく。(日次ベースで振り返りができると、結果の出ない時でも精神的に安定していられる。)

    • 結果からのフィードバックだけでなく、「行動ができたのか。できなかったのか。」という観点でも入れておくと、振り返りの視点が多角的になってきて、自己成長を促しやすくなる。

    • 質を測るために、データを取ることは、誰よりも意識しておいた方が改善のポイントは見つけられやすく良いかもと思っている。

  • 行動量における評価指標

    • 一定の期間内にどれだけのアクションを起こすことができれば、合格とするか指標を定めておく。うまくいかない結果に対するある種の割り切り。

  • 行動の実行と振り返りのこまめな言語化

    • なぜ今この行動を自分は実行しようとしているのか(目的の言語化)

    • 結果に足して、何が起きているか(良いのか悪いのか。良いとしたら想定していた基準に対して、どのくらい良いのか。)

    • 課題は外部要因なのか。(そうだとしたら影響度は何%ぐらいか。自分の行動の質の悪さで失敗を誘発した場合は、その影響度はどのくらいか)

成果を見て振り返りをしていては遅い(なぜなら結果の跳ね返りは薄い)ので、日々のアクションから微妙な結果の差異を察知できるようにし、それを言語化して次なる改善に繋げていくのが良いと思う。