🦍坊、どこにいってたんです?心配してたんですよ、私たち。
👤どこって、パムのとこだよ。
🦍またパムんとこですか?あいつ私たちのことバカにするんです。この間、駄菓子屋で偶然会った時に、あいつの膨らましたガム風船がベポの頬にあたって、ベポ火傷したんすよ。それをパムのやつ、笑ってて。しかもガム代も払わずに私たちにつけて帰りやがった。ぜってぇ許さねえ。ベポ、俺らがこの無念腹してやるからな!あいつをピンポンのそこに埋めてやるからな!
👤おいおい、やめろ。ベポ、悪かったな。パムには俺から言っとく。
👼すんません、坊。しかし、火傷が妙な形をしていまして。ほら、見えます?ハート型で、火傷跡が瘡蓋にならずにずっとネバネバしてて。でも、痛くないんです。
👤ほぉ、ベポ。それはお前、パムに好かれたんだな。
👼はぁ。どういうことですか?
🦍坊、何を気持ち悪いことを言ってるんすか。パムがベポを好きになるわけがない。ベポは初めてあの駄菓子屋いって奴に会ったんす。それとも奴が初めて会ったやつに一目惚れ?でもしたとでも言うんです?
👤一目惚れ。そうだな。そんなもんだな。運命の人に出会うとお互いピリッとくるというだろ?あとは、見えない赤い糸がくっついてるともいうなぁ。まぁ、運命とはお互いに何かしらの繋がりや刺激があるのだろう。パムはそれをベポに与えたんだな、きっと。
👼確かに、最近、この火傷跡がとても愛らしいと思ってしまい。それと同時にパムさんのことも頭から離れません。あ、でも好きとかとそういうことではなくてですね…。しかし、なぜ俺なんかに。
👤もしかしたら、お前も坊なのかもしれないな。そう、お前は「坊」の素質があるのかもしれない。
🦍はて?坊!どういうことですか?坊はあなたでしょう?
👤いいや、俺はもう坊ではないのかもしれない。今朝パムからガムをもらったんだ。俺も風船をつくらないといけないのかもな。パムと同じように風船膨らまして誰かに火傷おわせるんだよ。そんな時期なのかもしれない。
👼よく分かりませんが。坊は坊ですよ。だって、あなたも、パムさんに付けられた火傷跡があるじゃないですか。すこし薄れていますが。あと、駄菓子屋で初めてパムさんに会った時、火傷跡が印象的でして。それは、ダイヤ型の跡でした。それって、俺らの指にもあるやつですよね?
🦍それは、坊が俺らにつけた火傷跡だ。俺が坊と初めて会った時、坊はあやとりに誘ってくれて、それから…。記憶はないが、坊は俺らに知らぬ間に火傷跡をつけていたんだ。坊、あなたにはガム風船なんて似合わねえ。あなたは既に着火材をもっているはずです。だから、坊は坊でいいんです。また駄菓子屋であやとり買って遊びましょう!
おわり。