「鬼太郎誕生ゲゲゲの謎」を一時停止しながら3日かけて観た感想〜ゲゲ郎と水木の「顔」に注目して〜

toratsugumi
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今までの人生の中で一番多く劇場で観た映画は、間違いなく去年11月に公開された「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」だ。

いやほんとに。20回観たので。

そんな大好きな映画が早速プライムビデオの見放題配信に来た。そんな時にすることなんて決まっている。めちゃくちゃ一時停止しながら好きなシーンを何度も観ることだ。

というわけで「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」の中でも、主人公である鬼太郎の父(ゲゲ郎)と水木の「顔」に注目した感想を書いた。

👀ここからめちゃくちゃネタバレあるからまだ未見の人は今すぐ画面を閉じて映画を観てください 書き殴りのためあらすじは省きます👀

()内の時間はプライムビデオの再生バーの数字をもとに書いています。多少のズレは許せ。

⭐︎ゲゲ郎の顔について

ゲゲ郎は基本的に表情の変化が少なく、感情がわかりにくい。なので感情が露わになったシーンは全部好き。

・墓場での酒盛りのシーン、タバコを差し出されて驚く→うまそうにタバコを吸う(55:14)

・孝三とテラスで会うシーン、妻の似顔絵を見て取り乱す(56:35)

→この時激しく動くあまり隠れていた右目が見えているのが最高

・窖の底、やっと会えた妻に身籠った我が子のことを聞きさらに涙しながら微笑む(1:26:32)

→字幕つきで見ると「嬉し泣き」とあり、ナイス字幕……となった

・その後、ラスボスの時貞に怒気を含んだ声で「貴様に未来を語る資格はないわ!」と啖呵を切る表情(1:27:14)

→ここまでのシーンでは「言われてみたら確かに瞳、赤いかも……?」ぐらいだがこのシーンは「ゲゲ郎の瞳が赤い」ことをはっきり気づかせるカットでもあり、良い

→初見のとき「いやそんな都合のいい……血の池の反射かもしれん」と思ったが、このあと狂骨との戦闘シーンの中アップになった瞳が疑う余地もなく赤く(1:28:17)「ア"ッ……(語彙力の消失)」ってなったこと思い出した ズルすぎ

・暴れ出した狂骨を前に、妻のもとから離れる(1:27:35)

→引きのカットなので顔は小さく、表情もあまり変わらないが、狂骨を見上げる立ち姿に「妻を守る」覚悟が滲んでいていい。

・窖での最後の狂骨との戦い、表情を変えず無言で体内電気を繰り出す、覚悟の決まった表情。かっこよすぎ 1:28:56

・狂骨の怨念を引き受けると決めたシーン(1:35:47)、眠っている妻を見つめ無言で別れを告げる姿が、愛情が漏れ出ている優しい顔だったのに、泣きそうになった。

そしてその優しい顔のまま、嫌な顔ひとつせず妻を探すのを手伝ってくれ「お前が犠牲になることはねぇんだ」とまで言ってくれる水木を見つめるシーン(1:36:04)に繋がっていくの、本当に良い。水木はゲゲ郎にとって、最初で最後の、信頼できる人間の友だったんだなあ…………(ため息)

ゲゲ郎の顔は鬼太郎の顔によく似ている。ただそれだけで情緒が掻き乱される。

・温泉を楽しんでいたのを邪魔され、河童に「失礼いたした」と言うシーン(35:02)。

→横顔はスッとした美人だけど、正面を向くと目が丸くてかわいい 何??? 

・村を探索し、水木と並んでアイスを食べる姿の斜め上からのアングル。美しすぎる(48:27)

鬼太郎に美形のイメージない人は6期のアニメを見ろ。そして1話の鬼太郎の横顔の美しさに惚れろ。鬼太郎はかわいいしかっこいいし美人です(真剣な顔)。

☆水木の顔について

言うまでもなく顔がいい。

単純に好みの顔ということならば、

・禁域の島に乗り込み、頭痛で顔をしかめる(40:22)

・幽霊族について聞かされ、自分を助けたのは「哀れみをかけた」からと言う父をにらみつけるシーン(45:26)

あたりが好き。

水木はゲゲ郎と比べると表情がコロコロ変わる印象があるが、序盤はニヤッ……とした野心的な笑み(3:45)、あとは驚いた顔や悪夢にうなされた顔が多く、実は喜怒哀楽的な感情があまり見えない。

だがゲゲ郎と出会い、墓場での酒盛りなどを経て、徐々に人間らしい喜怒哀楽を取り戻していき、表情も柔らかくなっていると気づいた。

・沙代と村を出ようとしたがゲゲ郎を助けに戻ろうとするシーン(1:11:05)

→「このまま逃げたんじゃあいつに笑われますからね」表情としては冒頭と同じニヤ……という顔だが、冒頭と比べると明らかに柔らかく、野心ではなく他人を思いやる表情になっている。

→そしてその後、ついていくと言う沙代に向けた笑み(1:11:13)もとても優しい。

・工場で、沙代のために怒る水木(1:12:05)は、怒りで目を見開いている。

→他のどのシーンより怒りを露わにしているのがここなのが、水木が「他人のために怒れる人」であること、そして(自身では「愛がわからない」とは思いながらも)沙代に対しての愛情が感じられる。

→沙代に対しての思いは、暗がりのベンチで哭倉村の真実を知った後の物憂げな横顔(1:07:59)や、沙代が妖怪に取り憑かれていることを気づいてなお「東京に行こう」という表情(1:08:41)からも伺える……

・作中イチいい笑顔といえば、窖の底で時貞に言い放った「ツケは払わなきゃなあ!」(1:31:48)の時の顔。

→鼻血と返り血と吐血に塗れ、沙代を救えなかった後悔や、何もできない自分への腹立たしさを抱えてなお、この顔で、この台詞を吐ける水木という男、最高すぎる。

・全ての記憶を失ったエンドロール後、墓場で生まれた赤子を抱きしめる優しい顔(1:44:51)は、一時停止しないと気づけなかった。哭倉村での出来事を覚えていなくても、戦争で傷つき、自分を守るため強がっていた彼を大きく変えたのだと感じられる、とてもいい表情だった。

◯おまけ:かわいかった表情選

ゲゲ郎……座敷牢を抜け出し、温泉を楽しんでるのに水木に「出ろ」と言われ 「やだよーん」という感じで口をとがらせている顔(34:03)

水木……テラスで沙代から情報を聞き出そうとして、「あの島に行ったのですか?」と言われ、「いえ……ハイ……」と悪びれた感じで言う顔(48:45)

◯おまけ2:編集後記

一時停止しまくりながら見ると台詞が途中で途切れてしまい(当たり前)、結局巻き戻してまた見るということを繰り返し、普段の倍時間がかかった。

でも普段の倍はじっくりと見ることができて、楽しかった。一人で黙々とやっていたが他の人とワイワイやるのもやりたい(テレパーティ、やるか……?)

@toratsugumi
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