人間関係をリセットする癖がある。
数年前までこれが他のひとにも当てはまる普遍的な性質ということを知らず、もちろん名称がついていることも知らなかった。結構みんなリセットしちゃうんだ、と知ったときは少し安堵した。何もよくないんだけど。
他人との繋がりが煩わしくなる時期があり、連絡が疎かになる。そのうち一切の連絡を絶って、関係が自然消滅するのを待つ。だいたいいつもそんな感じだ。自分のことを知った相手を自分から切り離すことで、自分の過去と決別できるような気がしているのかもしれない。その時関係が深い全員を対象にすることもあるし、特定の数人だけを切り離すこともある。本当にずるくて嫌なやり方だし、自分でも悪質だと思う。
特に悪質なのは、一部の人間関係を良好に保ちながら、一方では別の人間関係の切り離しを行っていることだ。これは自身にとっても多大なるストレスをもたらしていて、本当に、本当によくない。同時に、自分の精神を守るための最適な行動を模索した結果だ、とも思う。二律背反だ。
連絡が来ているのにそれを返さない時間は、自分にとってもしっかりストレスになっていて、じゃあ返せば気持ちが楽になるかというとそんなこともない。多分いちばん良いやり方は、はっきりと「あなたとは今連絡を取ることができない」という意思表示をすることなんだと思う。でも、たいていの場合は難しい。それができるくらいなら普通に返信してると思うから。
実はこの間、実際に「あなたとは今連絡を取ることができない」をちゃんと伝えた事例があった。10年近い関係の信頼のおける相手で、急に連絡を絶った私にしつこく連絡してくることもなく、数か月置きに「今どうしているのか」と確認してくれていた。ありがたいと思い、ついに「しばらくは連絡を取るのは難しい。心配をかけてごめん」という旨の連絡を取ることができた。思っていたのとは違って、結局気持ちはあんまり晴れなかった。だけど昔よりは成長している……のだと思いたい。何もよくないんだけど……。
私の数少ない友人たちのなかには、学生時代からの友人もいれば、もう6年くらいの付き合いになるネットの友達もいる。私みたいな面倒くさい人間と仲良く付き合ってくれるひとがいるというのは、本当にありがたいことで、一種不思議な気持ちにもなる。できることなら、リセットせずに穏やかに過ごしたい。いつも心配をかけてごめんね。