物乞いするぐらいならドロボウになりたい、なんて
頭では分かっていても郷に従うのはめんどい
決まった金額しかエクスチェンジしていないのもあり、チップ文化がとにかくダルかった
ツアーに組み込まれてるお店で"こいつらはちっとも金を払わない"とガイドさんが怒られてる所も見た
インスタ話題のスポットとかよりもこういう光景の方が印象に残ってしまってる
旧市街と呼ばれる貧しい地域では10歳ぐらいの子供が物を盗ったとかで警察に連行されていた
世界の何処かで当然のように起こってる事なんだろうけど…実際に目にすると何かこう衝撃が走った
その後、別の地域で物乞いをする少年に出くわした
ボロボロの靴を指さして貧しさをアピールしたり、草で作った人形みたいなモノを買ってくれと差し出してきたり大分しつこかった
みんな無視していたけれど、いたたまれなくなり一枚だけ余っていた硬貨を差し出した(日本円にしたら10円とかそんな価値しかなかったんじゃないかな、あれ)
そしたら少年が
「ありがとうジャパニーズ」
とはっきり言い、自分の間違いに気付いた 感覚的に
ガイドさんによると、やはりその地域の住人は言うほど貧しくもないとの話だった
こういう手段で儲かるようになると子供は学校へ行かなくなるから絶対にお金を渡さないように
他のツアー客は子供たちにお菓子を配っていた
正しさって難しい
自由時間にウロウロしてたら道に迷った
車は歩行者を轢く勢いで走ってる スマホは使えない
勇気を出してヒジャブを被った女性に道を聞いたら大分丁寧に教えて貰えた
知らない場所で迷う事のなんと心細いこと
教えて貰える事のなんと有難いこと
人の優しさを忘れかけた時は知らない土地で知らない人に道を尋ねることにしよう
その時はあえて教えてくれなさそうな人を選ぶことにしよう
そう思った
実際、自分が"いい事をした"と実感出来るのって道を教えた時だったりする
その一方で教えられなかった"悪い事をした"記憶も残り続けていたりする
人通りの少ない場所だったから…あの人、目的地に辿り着けたのかな?とかたまに思い出す
もう何年も前の話なのにね
何処へ行っても自分は自分
何も変わらない そりゃそうだ