明後日、本を返す。そして、本を借りる。木田智美の『パーティは明日にして』を返さないとだめだから、彼女の作った好きな俳句をここに残しておく。
ここは、書き連ねて、私の血肉となるところだから。
重力に負けて海月となっていく
息継ぎのように黒板を見上げ夏
プールから水に慣らしていくラッコ
サンドウィッチ貪る絵の具の付いた手
流れ星降るやクリームブリュレ割る
空ダークグレー二度寝の覚めて月
月光と血とその他からできている
長生きはするけど死ぬよ冬帽子
手袋を外してから手に触れたい
薔薇に触れ少し後悔したる指
白玉のぷくりと浮いて呼吸して
あした穴を出ようと思う熊であった
あれはアンドロメダと指した手に煙草
夜食取るバレエシューズに傷二本
夾竹桃こぶし握れば透ける骨