かねてより人は夜空を見上げて思いを馳せていたのか、星に関連する言葉やお話には枚挙に暇がない。星に名を付け、星同士をつなぎ星座を作り、神話と結びつけたりした。亡くなった人のことを星になった、と言ったりもする。
もっと身近で直接的な表現もある。いわゆる有名人や人気者を指して「スター」としばしば言ったりするだろう。英語なら「star」。直訳するなら「星」だ。確かに頭上で煌々と光っている星々には、知らず知らずのうちに目を奪われる。夜空を見上げ、星ではなくその闇に恍惚とする人は居ないだろう。なるほど言い得て妙である。
一方で、こんな慣用表現もある。「星の数ほど――だ」。物凄く数が多いことを指す言葉だが、大抵の場合取るに足らない有象無象や平々凡々なものに対して使うことだろう。少なくともスターと呼ばれる人々は、星の数ほど居ないからこそスターなのである。
それでも夜空を見上げれば、数えきれないほどある星々のどれもが輝いて見える。別にその希少性に目を奪われている訳ではないはずだ。そう思うとなんだか一つ一つの星々がとても尊いもののような気もしてくる。ひときわ明るく輝く一等星にも、何の星かもわからないかすかな煌めきにも、きっと名や物語がある。僕らはスターじゃないけれど、数多ある星々に思いを重ねるその気持ちはわからなくもない。
まぁぶっちゃけると、単に「star」と言うと恒星のことを指すし、僕らが言う「星」も同じであろう。太陽系に惑星が八つもあることを考えると、満点の星々の周りにはそれを凌駕する輝かない星たちがいるはずだ。太古の人が自分たちではなく神々を星に見たのも、そんな理由かもしれない。
文が散漫なので雑にまとめると、何事も光ってなんぼだなと。そんな言葉遊び。