自分は弱い。精神面においてはストレスに弱いし、体力面では無理することができない。おそらくどちらも平均以下だろう。そして、これらは生まれ持った要素が大きい。ある程度はトレーニングや対処法を身に付けて克服することも可能だが、生まれ持った特性を覆すことはできない。
これはおそらく、体力的・精神的に恵まれた人にとっては理解できない感覚だろう。ひょっとしたら、怠慢・弱音・言い訳にしか見えないかもしれない。しかし生まれ持った特性は、どうにもならないのだ。
しかし、弱い人にとっては「弱い人の気持ちが分かる」ということは強みになる。強い人にとっては「なぜできないのかがわからない」が、弱い人にとっては「できない人の気持ち」がわかるのだ。だから、仕事において弱い人に理不尽な命令や要求をしてしまうことはないし、弱いことを責めることもない。むしろ「その弱さにどう向き合うか」を助言することもできるだろう。
全てにおいて強い人間はいない。だから、自分が何に強く、何に弱いのかを知っておく必要がある。弱い面で勝負するのは避けたほうがよいが、弱い面を強みとして活かせる余地はある。強い面を武器にするのはよいが、弱い人への配慮を忘れてはならない。
幸いなことに、自分は知力には恵まれたと思う。学校の授業でそこまで苦労したことはないし、勉強しなくてもそれなりの点数が取れ、それなりの高校・大学に行くこともできた。しかし逆に言えば、「勉強してもテストで点数が取れない」という人の気持ちは理解できていないし、「こうやって勉強すればテストの点数が取れるようになる」という方法すら知らない。そしてこれが強い故の弱さになる。
人生、配られたカードで勝負するしかない。しかし強いカードにも弱みがあり、弱いカードにも強みがある。弱いカードをどれだけうまく活用できるかが、人生の幸福度を左右するのかもしれない。