小説を書き始めたばかりの頃は、そういうものを書こうとはまったく思っていなかった。
カクヨムの読まれなさにはがっかりしたものの、エブリスタに移ったばかりの頃は、アクセスが少なくても「最初はこんなものだろう」と思って、あまり気にしていなかった。
エブリスタで最初に書いた作品は、多分今までの中で一番楽しみながら書いたと思う。
少し経つと、フォローされるようになり、☆も付けられるようになった。
ただ、☆を付けるのは、多くのユーザーにとって自分の作品に誘導するための手段であって、必ずしも(ほとんどは)読んでいるわけではない。
作品全体のアクセス数だけでPVがわからないことも、それらの行為を助長していると思う。
実際、フォロワーが増えて付けられる☆の数も増えてくると、付けてくれる人すべての作品を読むのは物理的に不可能だとわかった。
ほとんどの相手には、がんばっても、ざっと目を通すくらいのことしかできず、結局一部の作品を除いては、ただ☆を返すだけになっていった。
「本棚」の数の少なさから見ても、自作が読まれていないであろうことも察しがついた。
それでも、すぐにエブリスタをやめようとは思わず、そこで活動しながら、なんとかちゃんと読んでもらう方法はないものかと考えた。
それでたどり着いたのが「過激表現」であり、エロスだ。
いわば背水の陣で、それでダメならエブリスタはやめようと思って書き始めた。
今もノベルデイズで公開中の「サンクチュアリ」という作品は、美しい男女の双子の許されない関係に始まり、やがてそれぞれが背徳の愛に溺れて行く、みたいなストーリーだ。
その中で、初めてBLもガッツリ書いた。
ただし、官能小説ではないので、言うほど過激ではないし、内容も恋愛がすべてではない。
私にとっては挑戦だったけれど、残念ながらたいした手ごたえはなく、それを最後にエブリスタはやめた。
でも、それがきっかけになって、その後、エロスを含む小説も抵抗なく書けるようになった。