昔、イラストが上手なネット友達にイラストと小説でコラボしようと言われたり、小説投稿サイトで知り合ったネット友達にリレー小説をやろうと言われたりしたことがあった。
せっせと準備をしたものの、どちらも実現しなかった。
相手は軽い気持ちで言ってみただけらしかった。
ところで、以前ステキブンゲイで「100回継ぐこと」という企画があった。
100人で書き継いで一つの物語を作るというものだけれど、私は興味がなかったので、参加する気もなければ読んだこともなかった。
ところが、企画が始まってから、多分1年以上経っていたと思うけれど、当時のTwitterに、90話くらいから先の書き手がいないので一旦休載するということと、続きの書き手募集のツイートが流れてきた。
私が見たのは、たしかツイートされた翌日の早朝だったけれど、それを見て「応募しないと後悔する」と思ってしまい、その場で応募した。
文字を書き込む指がちょっと震えた。
その後で、今までに書かれたものを初めて読んでみて、ちょっと後悔したけれど。
なぜなら、主人公の女性が(今だからはっきり言うけれど)嫌いなタイプだったから。
一応、今までに書いた自作をチェックされた後、採用されて、96章を書いた。
それは、1人ほんの数百字で、出されたお題に沿って書く、男女の往復書簡からなる小説だ。
どちらの書簡を書くことになるのかと思っていたら、私に割り当てられたのは、なんと書簡部分ではなかった。
一度書き直しを命じられた後でOKが出たけれど、本になったときは(後日出版された)、さらに若干加筆修正されていた。
それと、その本はぱっと見、主催者の脚本家が一人で書いたように見える装丁で、しかも誰がどの章を書いたかがどこにも明記されていなかった。
貴重な経験だったけれど、いろいろなモヤモヤが残った。
そんなことがあったものの、今でも誰かと一緒に何かを作りたいという気持ちはある。
あるけれど、相手がいないので実現しそうにない。