今までに書いた小説は、長編だけでも20作を超えている。
それだけ長い間書き続けているということだ。
それぞれの作品に何人もの登場人物がいるわけで、今となっては数えようもないけれど、全部を合わせたら相当な人数になることだろう。
それぞれに舞台があって、それぞれにストーリーがあって、我ながらよく書いたものだと思う。
とは言え、自分の好みで書いているので、似たような登場人物がいたり、似たような設定があったり、ということはままある。
たとえば、森の中の洋館というのが好きで、よく舞台にする。
月も好きなので、よくモチーフとして使う。
それから、なぜかカフェや料理人がよく出てきたりもする。
主人公は、自分の性格を反映させて(?)、気弱で内向的な人物が多い。
作品数が増えてきてからは、自分にしかわからない遊びで、別々の作品に同じ架空の地名や駅名、ときにはまったくつながりのない作品に、重要な脇役として同じ人物を出したりもする。
一方で、人の名前はいつもその場の思いつきで適当に付けてしまうので、ある作品では、5万字くらい書いてから、主要人物の二人が某アイドルグループのメンバーと同名だと気づいて、慌てて変えたこともあった。
別々の作品で、別人の脇役二人を同名にしてしまったこともある。
多分、名前の引き出しが少ないせいだ。
気をつけないといけないと思いつつ、そういうこともちょっと楽しい。
そんなふうにして、自分の中の世界がどんどん広がっていく。
昔は作品の中で、けっこう人を死なせたりしたけれど、今はなるべく多くの登場人物が幸せになればいいなあ、なんて思いながら書いている。