これも何冊か買ったうちの1冊。
著者はソン・ウォンピョン。
主人公が、「偏桃体が小さく、怒りや恐怖を感じることができない」というところに興味がわいて読んでみた。
その設定から、リアリティのある物語を期待したけれど、そうではなかった。
わりと「実際にはこういうことはなかなか起こらないだろうな」というエピソードが続く。
偏桃体が小さいというモチーフは医学的で科学的であるけれど、出来事や展開は、ときにフィクションには「ありがち」なものであったり「ファンタジー(?)」であったり。
著者はエンタメ性を考えて、あえて意図的にそうしたのかもしれないけれど。
本国(韓国)では大ヒットしたらしいし、日本でも本屋大賞に選ばれたそうだけど、私の好みではない。
あるいは、私の心がひねくれ過ぎているのかもしれない。
いつも思うことだけど、世間で受けていたり認められているものが、必ずしも自分に合うとは限らない。