AM 7:00
案の定、アラームより早くに目が覚めてしまった。早めに朝ごはんを食べて、着替えて、化粧。メイク後は水を張った桶に顔を突っ込むと、メイクが落ちづらいことを知っているため、それをしようとすると、風呂場のカメムシと目があった。いや、お前まで見送らんでもええんやで。当然、始末した。
気を取り直して、荷物のチェック。忘れ物が無いかを確認。最悪、明日の服と財布とスマホ、あとは帰りの切符があればなんとかなる。とはいえ、見知らぬ土地に行くので、不安とどきどきでいっぱい。震える手で、キャリーケースを持って出発した。
AM 9:00
故郷にしばしの別れを告げて、雛鳥は見知らぬ土地へ旅立つ。
汽車には無事に乗り込むことが出来た。いつもより人が大勢乗っているように感じるのは気のせいだろうか? 前回の神戸旅行は天候が悪かったから、乗客の少ない前回が特殊だったのだろうか? 分からない。
どきどきそわそわして落ち着かないので、持ってきたiPhoneと、お気に入りの三日月宗近カラーのAviot(Bluetoothイヤホン)で音楽を聞いていた。povoの24hデータ通信無制限を購入したのでアニメを見ても良かったのだが、思いの外、メイン端末のpixel 6aの電池の減りが早いので日和った。
UVERworldで始まり、高垣彩陽、LiSA、ボカロ曲……高校時代から蓄積してきたプレイリスト。曲数はあまりアップデートされていないが、私の旅にはこれが不可欠である。とはいえ――今回の旅にはやっぱり、ミュージカル刀剣乱舞の鶴丸国永や三日月宗近のソロ曲が相応しい。
持ってきた菓子にはあまり手を付けなかったし、クロッキーでもやるかと持ってきたメモ帳もなんの役にも立たなかった。一方で、春色団子を持ってきたのは正解だった。美味しかった。
PM 0:00
現地・大阪に着くなり、人の多さに圧倒された。土日の田舎のイオンモールでも、こんなに人は居ない。私は人混みに居ると変なアンテナを受信しがちなので、少し不安になった。まあ、旦那たちがなんか言ってたから大丈夫だろうと思いたい。
改札を出るも、ここがどこだか分からない。こういうとき、方向音痴は下手に動いてはいけないと私はよく知っている。待ち合わせていた近畿在住のフォロワーにLINEで泣きつき、無事合流。私のpixel 6aはおサイフケータイ機能付きなので、弟に言われて事前にICOCAをダウンロードしていたのだが、勝手が分からず駅の構内でフォロワーとおろおろしてしまった。田舎暮らしだと汽車も電車もあんまし使わないし、電子決済はコンビニくらいなので仕方無いね。
新大阪へコインロッカーにキャリーケースを預けようとするも、どこもかしこも使用中。フォロワーと地図を見ながら、荷物を預けられる場所の存在を思い出した。手荷物預り所に行くと、新人の子がテンパっていた。ベテランの人がすかさずフォローしてくれたため、私は困らなかったのだが、なんだか大変そうだった。さすがに私の予約したホテルまでは持って行ってくれないようだったが、しっかり預かってくれるところだったので、翌日もお世話になることにした。ありがとう、Crosta新大阪。
PM 1:00
特に何処に行きたいということを(主に私が)決めていなかったが、せっかく大阪に来たのだから、刀剣乱舞でもしばしば登場する大阪城をきちんと見ておきたかった。大阪城まで案内してもらうことにした。
大阪城は観光客で賑わっていた。初夏どころか夏のような暑さにも関わらず、トレンチコートを身に纏った女性もちらほら居た。外国人観光客は薄着の人が多かった。
大阪城の桜も例に漏れず、もうほとんど散ってしまっていた。私としては居住地の桜よりもまだ随分残っているなあと感じたのだが、フォロワーはかなり残念そうにしていた。
というのも、フォロワーは写真が趣味で、よくねんどろいどを持ち歩いている。桜とねんどろいどをもっと綺麗に撮りたかったらしく、悔しそうにしていた。
彼女は私が鶴丸国永が好きだということを知っているので、今日は、推しのねんどろいどと一緒に、鶴丸国永のねんどろいどこと「ねんつる」を持ってきてくれていた(※)。彼女は前々から「どうしても撮りたいものがあるから手伝って欲しい」と言っていたので、今回、桜の木の下で写真撮影をした。とても綺麗に撮れていた。今度、彼女から写真のデータを貰おうと思う。
(※ちなまないが、うちのねんつるは鞄に入り切らなかったため、お留守番をさせている。)
フォロワーのねんつるは身体をドールに差し替えてあるのだが、写真撮影の際、ねんつるの腕が思うように曲がらず、手の中にある小さないのちにビビりながら触っていた。手のひらに乗せるときもビビりながら触っていた。手汗がすごかったかもしれない。ごめん、ねんつる。
せっかくここまで来たので、大阪城の天守閣に登ることにした。運動不足の身体にはかなり堪えた。幸い、飲み物は持っていたので喉の乾きに困ることは無かった。天守閣の頂上から見える景色は怖かったが、綺麗だった。


PM 3:00
フォロワーに案内され、梅田駅のリバーカフェというところを訪れた。前々から絶対行こうと約束していたところである。
今のアフタヌーンティーセットはいちごテーマになっており、見た目も可愛く、いろんな種類をたくさん食べ切りやすくて、とても良かった。
ここでもフォロワーがねんどろいどを貸してくれたのだが……

フォロワーのようには上手く撮影できなかった。ごめんね、ねんつる。
PM 4:00
リバーカフェを去った後は、日本橋なるところを訪れた。私が日本橋だと思ってるだけで、違うところかもしれない。我々はグッズや同人誌などが販売されている店に向かった。
町中は、歩行者天国ではないのに歩行者が勝手に天国にしていた。この中を通る車は勇者である。私は突然の車に轢かれないようビビりながらフォロワーの後を付いていった。コンカフェなる従業員と思しき女の子たちが懸命にビラをくばっていた。こわいところだ。
街にはドスパラやGALLERIAの専門店やガチャガチャ専門店、プラモデル特化の店なんかが並んでいる。途中見かけた店の前に、ちょこんと置かれたシマエナガのでかいリュックに目がくらみかけた。どっかに鶴、居ないかな。
グッズや同人誌を見ると買いたくなってしまうのがオタクの性。鶴丸国永や三日月宗近のそれらを眺めては、頭を抱えて財布とにらめっこ。しかし、特定のものしか私の神から許可が降りなかった。それはそう。あんまりにも(これも主に私が)グッズに夢中になってしまい、フォロワーに気を遣わせてしまった。す、すまない……。
更に、ホテルの到着が予約時チェックイン予定時刻のPM 6:00を過ぎることが予想されたため、2時間ほど遅れてしまう旨を伝えた。そこまで物欲は無かったはずなんだけどなあ……ついこういうのを見ると興奮してしまいがち。
PM 6:00
さすがにホテルまでは間に合わないので、とりあえずなんば周辺で腹ごしらえをすることにした。「何が食べたい?」と聞かれて「鳥が食べたいかな……」と返すと、フォロワーが何か堪えたような反応をしている。
「ひよこひよさんが言うと共食いだなって……」
うん。言うと思った。
とりあえずいろいろあって、適当な店に入った。名前は忘れてしまったが、とても美味しかった。

写真を取るのが下手か?
念願の鳥も美味しかったが、エビチリを選んで正解だったし、豚汁も本当に美味しかった。無言でがっついていた。ちなまないが、私の方が先に食べ始めたのに、食べ終わるのはフォロワーと同時だった。私はいつも食べるのがゆっくりだなと、笑ってしまった。
PM 7:30
やっと新大阪に辿り着いた我々は、キャリーを回収した。その道すがら寄ったコンビニに桜ミクのねんどろいどの一番くじがあったので、それをフォロワーに教えると、フォロワーが意気揚々とくじを引き始めた。当たったのはストラップとクソデカクッションで、コンビニはそのクッションを入れられるレジ袋が無いのだと言う。さすがにアレなので、丁度貰っていたレジ袋を渡したが、やはり入り切らなかった。後でXを見たら「桜ミククッション、めちゃくちゃ人に見られた」と言っていた。それはそう!
その後、フォロワーとは新大阪東口で別れた。そして、Googleマップを頼りに、独りでホテルを目指す。
Googleマップに導かれ、私は真っ暗な道に出た。お化けより怖い、変な人間が居そうな路地である。おかしい。気付けば時刻はPM 7:45になっていた。チェックインを後ろ倒しにしてもらったとはいえ、これはまずい。私は慌てて引き返し、ホテルの案内を見た。
「R&Bホテル新大阪北口 新大阪駅北口徒歩4分」
……北口やないかーい!
私は東口付近から北口へ引き返した。にしてもやはり暗い路地なので、ビクビクしながらホテルを目指した。慣れない土地で仕方無いとはいえ、他方面に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
ホテルはレディースコースで予約していたので、アメニティに足のケアをするものとホットアイマスクを貰うことが出来た。とても助かる。
ホテルでは念の為、流行っているらしいトコジラミの対策としてまず荷物をバスルームに持っていき、部屋の隅々を目視確認をして、大丈夫なことを確認して、念の為、荷物や衣服などの至るところに携帯用虫除けスプレーを振りまいた。三ツ星ホテルを信用していないわけではなく、身の危険を回避しておきたいのと、家のぴよたちに迷惑をかけたくない一心でそうしているだけである。
一通り落ち着いて、私はすぐに風呂に入り、貰ったフットケアシートやアイマスクを使って仮眠した。今は布団でこれを書き留めている最中である。
もうすぐ日付が変わる。流石にもう寝よう。